第7話 お気に入りの場所

 りょーちゃんの後をついて行くが、前に行ったかと思いきや右や左に曲がったり後ろに戻ったりと不思議な道のりを辿る。

 段々森が神聖な雰囲気に変化してみーちゃんは緊張してくる。手をギュッと握って進もうとした。

 りょーちゃんが急に立ち止まったのでみーちゃんはりょーちゃんにぶつかりそうになる。


「着いたよ」


みーちゃんが前を見るとそこには綺麗な夕焼けが見えた。美しいオレンジ色の光が射し込んで木々が煌めいている。


「ボクのお気に入りの場所なんだ」

「きれい……!」


いつまでも見て飽きない光景にみーちゃんは目を離せない。むしろ引き寄せられて離れられないのだ。

 みーちゃんの体が勝手に歩き出してそのことにも気付かないまま釘付けになっている。

 様子がおかしいことに気付いたりょーちゃんはみーちゃんを引き留めて声をかけた。


「みーちゃん! もう帰ろう」


りょーちゃんに声をかけられるまで自分が歩いていたことを覚えていないみーちゃんは場所を移動していたのを不思議に感じた。


「あっうん。こんなにきれいなものを見せてくれてありがとう、りょーちゃん」

「どういたしまして。じゃあ行くよ」


みーちゃんはりょーちゃんの近くに行き、手をつないで歩き出す。

 帰り道はただ真っ直ぐ歩いていただけで森の雰囲気が元に戻ったのでみーちゃんはホッとした。やがていつもの場所に着く。


「ここまで来たらもう大丈夫だ。後は家に帰れるね?」

「うん、大丈夫だよ!」


つないでいた手を離し帰る準備を済ませるとりょーちゃんと向かい合う。


「じゃあね、りょーちゃん。また明日!」

「そうだね。明日を楽しみに待っているよ」

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