第7話 お気に入りの場所
りょーちゃんの後をついて行くが、前に行ったかと思いきや右や左に曲がったり後ろに戻ったりと不思議な道のりを辿る。
段々森が神聖な雰囲気に変化してみーちゃんは緊張してくる。手をギュッと握って進もうとした。
りょーちゃんが急に立ち止まったのでみーちゃんはりょーちゃんにぶつかりそうになる。
「着いたよ」
みーちゃんが前を見るとそこには綺麗な夕焼けが見えた。美しいオレンジ色の光が射し込んで木々が煌めいている。
「ボクのお気に入りの場所なんだ」
「きれい……!」
いつまでも見て飽きない光景にみーちゃんは目を離せない。むしろ引き寄せられて離れられないのだ。
みーちゃんの体が勝手に歩き出してそのことにも気付かないまま釘付けになっている。
様子がおかしいことに気付いたりょーちゃんはみーちゃんを引き留めて声をかけた。
「みーちゃん! もう帰ろう」
りょーちゃんに声をかけられるまで自分が歩いていたことを覚えていないみーちゃんは場所を移動していたのを不思議に感じた。
「あっうん。こんなにきれいなものを見せてくれてありがとう、りょーちゃん」
「どういたしまして。じゃあ行くよ」
みーちゃんはりょーちゃんの近くに行き、手をつないで歩き出す。
帰り道はただ真っ直ぐ歩いていただけで森の雰囲気が元に戻ったのでみーちゃんはホッとした。やがていつもの場所に着く。
「ここまで来たらもう大丈夫だ。後は家に帰れるね?」
「うん、大丈夫だよ!」
つないでいた手を離し帰る準備を済ませるとりょーちゃんと向かい合う。
「じゃあね、りょーちゃん。また明日!」
「そうだね。明日を楽しみに待っているよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます