第8話 空を飛ぶ

 次の日、学校も終わりみーちゃんはゆうちゃん、こう君となーちゃんに手を振って別れを告げる。


「じゃあねー」

「またな」

「また明日ね」

「ふん」


ゆうちゃんは腕を組んでそっぽを向く。それを見ていたなーちゃんは声をかける。


「ほら、ゆうちゃん」


ゆうちゃんはみーちゃんの方を向いて口を開いたと思いきや閉める。視線が左右に揺れ、なかなか喋り出さないゆうちゃんにみーちゃんはしびれを切らした。


「どうしたの?」

「……あっ明日あそんでも良い?」

「良いよ」


ゆうちゃんはあまりにもあっさりとOKがもらえたので困惑した。


「えっ良いの? だってさいきん森の友だちが出来たって言ってたのに」

「うん、そうだよ。でもみんなともあそびたいから良いの」

「そっかー。なら、明日はいつもの公園ね!」

「分かった。じゃあねー」

「うん。バイバイ」


再度手を振って三人と別れて森へと向かう。しばらく歩いていつもの場所に着いた。

 そこにはりょーちゃんの姿がある。だがいつもは地面についているはずなのだが宙に浮いていた。


「やあ、みーちゃん。よく来たね。待っていたよ」

「りょーちゃんがどこか行っちゃう!」


みーちゃんは慌ててりょーちゃんの手を掴む。そうしないと風でどこかに流されてしまいそうだった。

 その様子を見たりょーちゃんは微笑ましいものを見ているようだ。


「大丈夫だよ。風の力を使って浮いてるだけだから流される事はないから」

「そうなの?」

「そう。だから平気だよ。でも風を操るのが難しくてね。気を抜くとこうなっちゃうんだ」


ストンとりょーちゃんが着地する。


「じゃあ、いつか空を飛べると良いね」

「その時はみーちゃんも一緒に飛ぼうか」

「うん! 約束なの!」

「約束だからね。ボク、頑張っちゃうよ!」

「りょーちゃんなら出来る!」

「よし、今から練習しようかな」


りょーちゃんは空を飛ぶ練習を始めた。

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