第6話 みーちゃんの名前 その三

 学校が終わりみーちゃんはこう君、ゆうちゃんとなーちゃんに別れを告げ一人で森に向かった。

 森のいつもの場所にはもうりょーちゃんがいた。


「りょーちゃん! こんにちは」


みーちゃんが近くに来て話しかけるとりょーちゃんはこっちを向く。


「やあ、みーちゃん。こんにちは」

「お母さんにね、名前の意味聞いてきたよ」

「えっ本当? 聞かせてほしいな」


りょーちゃんはキラキラした目でみーちゃんを見る。それに気を良くしたみーちゃんは笑顔になった。


「うーんとね。たしか花のように心がきれいで、皆からひかれるようになりますようにってねがいをこめたんだって」

「なるほど、そうなんだね。良い願いだ」


りょーちゃんは目を閉じてその意味を心に刻み込んでいた。


「そうなの?」

「そうだよ。名前は願いの結晶だからね。一人一人形や色が違うんだ」

「名前ってすごいんだ!」

「みーちゃんの願いの形は綺麗で透き通っているから見ていて飽きないよ」


りょーちゃんは目を開けて何もない所をじっと見ていたので、みーちゃんも同じ所を見てみるがやはり何も見えない。


「うーん? わたしには見えないの」

「そうだね。人には見えないと思うよ。だから、その代わりに良い所連れて行ってあげる」


私には見えない何かを見ていたのかとみーちゃんは納得する。


「りょーちゃん、どこいくの?」

「内緒。でもついてきたら分かるよ」


とことことりょーちゃんが先を行くのでみーちゃんはついて行くことにした。

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