第2話 龍の漢字

 龍とお別れした後、寄り道をせず真っ直ぐ家に向かって行くみーちゃん。新しい友達が出来たからだろうか。とても上機嫌である。

 程なくしてみーちゃんは家に着き中に入った。夕食を食べ、風呂に入った後のちょっとした時間にテレビを見ていた。

 歴史上の人物を紹介している番組のようだがみーちゃんは番組の内容には興味がないようで聞き流している。だがとある漢字に目が留まる。

 なぜだかその漢字が気になって仕方なくなったのだ。偶然か運命なのかその漢字は龍であった。


「ねえ、これなんの漢字? なんて読むの?」

「これは龍。想像の動物の名前なのよ。読み方はこれだとりょうって読むわよ」


龍の漢字が分かって嬉しいみーちゃん。更に他の読み方も知れてはしゃいでいる。

 明日、龍に教えてあげるんだと意気込んでいるようだ。

 その様子を見ていたみーちゃんのお母さんは不思議に思っていた。


「いつも歴史には興味ないのにどうしたのかしら」


そんな思いは露知らずみーちゃんはもっと龍のことを知ろうと考えた。


「ねえ、お母さん。龍ってどんな生き物なの?」

「えっと……確か、体のあちこちが色んな動物に似ているらしいわよ」

「えー? そうなの?」


みーちゃんは龍の姿を詳しく思い出してみることにした。

 チョコレートみたいな色をした丸い体に角と金色のたてがみに短い手足、目はエメラルドグリーン。

 カラフルだけど龍は龍なので何かに似ているというのはみーちゃんにはよく分からなかった。


「ほら、もう寝る時間よ。布団に入りなさい」

「分かった。おやすみ」

「おやすみ」


寝室に行き布団に入る。明日、龍に会えることを楽しみにして目をつむったみーちゃんだった。

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