第28話 りょーちゃんの寂しさ

 りょーちゃんは、みーちゃんの方に振り向くと目を輝かせて飛び付く。


「みーちゃんだー!」


りょーちゃんは、そこにいる、みーちゃんに抱きついて何度も、つついたり撫でたりする。みーちゃんはされるがままだ。

 しばらく、それが続き、やっとの事でりょーちゃんは、みーちゃんから離れる。


「ずっと待っていたよ」

「ごめんね。なかなか時間が取れなかったの」


りょーちゃんは顔を伏せ尻尾を掴む。


「責めるつもりはないんだ。元々ボクが言い出した事だしね」

「『人の生活を大切にするように』だっけ?」


りょーちゃんは頷いて、そして自分を責めるように言った。


「それなのにボクがもう音を上げているなんてさ。ボクは駄目だね」


みーちゃんは首を振って、りょーちゃんをギュッと抱きしめる。


「そんな事ないよ! 私だって、ずっと会いたかったし寂しかったの!」

「みーちゃんもそうだったんだ……」

「そうだよ。りょーちゃんだけじゃないの」

「そっか……」


りょーちゃんは目を閉じて頷く。

 そして、りょーちゃんはパッと目を開けたのは良いものの口を開いては固く閉じる。みーちゃんはその様子にポンポンと優しくりょーちゃんの背中を叩いたり擦ったりする。

 すると、りょーちゃんの尻尾がみーちゃんの足に巻き付いた。

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