第93話 三か月決算 シャーロット加入

九十日目 午後


 湿地ダンジョンの地下一階を30分ほど戦い。3時間かけてドロップ品を集めた。魔石が一万個。ドロップ品が7000、うちスキルスクロールが3000だ。


 モニカ達は、リザレクションの村へ戻らせた。村人のケアを頼むためだ。そして、今日辿り着いた他のエルフ村の村人の職業分けを依頼した。


 俺たちは明日、村へ向かうと告げドルレアンの街の冒険者ギルドへ立ち寄った。


長剣 7人 lv 28-45→35-50

短剣 7人 lv 22-35→33-40

弓矢 9人 lv 25-32→35-37

戦斧 6人 lv 16-33→31-38

戦槍 6人 lv 12-28→31-35

魔法 9人 lv 15-22→31-33


 シャーロットは、レベルが6から急激に上がったため意識を失くしたままだ。目が醒めるたびに、体が熱くなり、冷却中にまた意識を失う。ようやく夕方に目を醒まして、レベルアップが完了した。48で止まった。


 俺たちはCランクに上がった。シャーロットにも冒険者登録をさせた。Dランクデビューだ。彼女はぼうっとしたままだ。


宿屋に戻って一泊する。


「シャーロットが正気に戻る前に、決算をまとめておきましょう」

「ああ」


「今月は、じゃかじゃかじゃーん。737,630,000G」


(冒険者活動)

魔獣討伐素材 21,000,000G

依頼達成報酬 103,300,000G

強盗団金庫 452,000,000G

馬売却代金 51,000,000G

(商品委託販売)

縫製商品販売 41,250,000G

泡類商品販売 34,080,000G

特許契約収入 34,000,000G

(その他)

治癒代金 260,000G

剣修繕代 340,000G

弓掛販売 400,000G


「結構、買い物で使ったと思ったけど、馬が一番高かったくらいか」

「そうね、三億Gは使ってないわ」


「これからは、村の運営で結構支出も増えるかな」

「そうだといいけれどね、村人からの税収も今度決めておきましょう」

「ああ」



 風呂を溜めた。四人が十分には入れる広さなのだが、問題は、シャーロットの意識が朦朧としている。起きてはいるのだが、半分以上は夢の中だ。


「ガスマン王国の嫁入りって、各種族からの人質みたいなものか?」

「そうね、近隣の小国家や異種族が反旗を翻すことがないようにだけど」


「結局、人質を粗末に扱って、人質どころか恨みを買う」

「それね」


「しかし400キロ以上も良く歩いたな。しかも平地ではなくて、森だろう?」

「命がけだし、慣れた森だからじゃない?」


「嫁入りする予定だったくらいだから、成人はしているんだよな」

「だと思うけど、個人的なことは、眼が完全に冷めてから聞きましょう」


「交換した靴も、全員ボロボロだったわ」

「俺も今日はボロボロだ」


 毎回レベルアップのために、この酔いはたまらないな。魔力暴走して射精は強制的だし。二人は大丈夫なのか?


ファリナはあなたといると、いつもレベルが上がっていたから慣れたわ」

アイリーはきつかったかな。というか、欲情Ⅲといい勝負ね」


「オーガ種ってレベル60くらいあるんだろう?」

「あるわよ、でも村人の強盗団ギャングスレイヤー特攻で3倍でしょ。レベル30あれば十分じゃない?」


「そうなのかな、シャルなんて、レベル6がたまたま爆上がりしただけで、スキルも増えないし、スキルレベルもそのままだよな。普通に考えて戦力外だと思うのだが」


「まあ、彼女は回復職だから」

「実戦訓練は五日じゃ無理よ」


「だよな」


「明日以降は、エルフだけでダンジョンへ行ってもらえばいいんじゃない?」

「確かにね」


 甘い飲み物を作って、汗で流れた水分を補ってもらおう。

 

 いつもの蜂蜜入りミックスジュースを作って、アイリーとファリナに渡した。シャーロットにもストローを付けて持たせている。


口につけると、辛うじて吸い始めた。


ごほごほ!


 たぶん甘すぎて濃厚すぎたのかもしれない。少しだけすっきりした味のリンゴジュースを持たせた。今度はスムーズに飲んでいる。


「美味しい」

「大丈夫か?」


「ええ、なんだか夢の中にいた」

「レベルアップ酔いは、初めて?」


「ん~20年ぶり?」


ごほごほ!


今後は、アイリーとファリナが噴き出した。


「あら、エルフの成人は30歳、20年は誤差の範囲」

「成人はしているんだな」

「ええ」


よくわからないな。種族が違うと。


「いい香りがしていた、お風呂?」

「ああ、入るか?」


「うん、抱っこして、洗ってね、ダーリン」

「ファリナ、貴族ってこんな感じか、キャラが被っているのだが」


「悪いけど、あなたもアイリーも貴族よ」

「前言撤回だ」


既に覚悟は決めている。もうこの世界基準でいいか。


 彼女シャーロットを抱き上げた。軽いな。持ち上げる際に彼女の胸に触れステータスが見えた。


▽ステータス

シャーロット:35歳 冒険者 Dランク エルフ族 

レベル48


▼(アクティブ)

シャーロットスキル:慈悲の恵み(未開放)

※慈悲の恵み、スキルの受け渡しができる。

※スキルレベルを上げることが出来る。


生活魔法:全部取得

攻撃魔法:ホーリー・アローⅠ

防御魔法:ホーリー・バリア

回復魔法:回復Ⅰ

補助魔法:地図記憶Ⅰ、探知Ⅰ

生産魔法:なし

付与魔法:結界


攻撃スキル:なし

補助スキル:快速Ⅰ


▼(パッシブ)

シャーロットスキル:【人物鑑定】


耐性スキル:毒Ⅰ、酸Ⅰ

武器スキル:なし

回復スキル:自己回復

補助スキル:なし

加速スキル:なし

減算スキル:なし


HP:127/1250 1時間当たり回復量52

魔力:322/3130 1時間当たり回復量130

攻撃:125

防御:125 

迅速:125 

幸運:50


「ファリナ、HPと魔力が1/10しかない、今、自己回復中だが完全に体力・魔力切れだ。肉を焼いてもらうように、クロークとグッチに伝えてくれ」

「わかったわ」


「アイリーは、この子の服を用意してくれるか?」

「了解、分母が一気に上がったのね」


「そりゃあ、意識が戻らないはずだ、風呂に入りながらでいいので、ドリンクを飲み続けておけよ、シャル」

「うん、何処から出しているの?」


「ああ、俺の泡魔法だ」

「ふーん」


回復ヒール


▽ステータス

シャーロット 

HP:660/1250


「あ、ずいぶん楽になった」

「おう、半分くらい回復した。シャーロットのスキルで、『慈悲の恵み』、これでスキルコピーができるか試してみてくれ、回復Ⅲを俺は持っている、ああ、でも『未解放』になっているな、どうやって開放するんだ?」


「スキルの解放は、相棒契約をする、つまり結ばれること」


なんてこった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る