第26話 海底リニアの解放
何カ月が過ぎて人々は自分の状況、運命を受け入れ世の中は廻っていった。
防衛軍は反政府的な思想の暴徒の集団と交戦するようになっていた。
防衛軍は海底マンションの出入口の確保を度々依頼された。
特に相模湾沖の海底マンションは深刻で海上の浮島は爆破され、海底リニアも地上側のホームは暴徒に占領されていた。
リニアと並行して地上に繋がっている空気の換気ダクトが破壊されたら、五万人近くの住人の生命が危うくなる。
俺は五百人の部下を連れてリニアに乗って向かった。リニアはまだ本格始動はしてなかったが、緊急の場合と食料の運搬時には稼働していた。
相模のリニアの駅に着き一個小隊五十名を連れて偵察に出た。後は駅に待機させた。
俺は小隊とリニアの駅の構内のトイレに入った。
トイレの奥にドアがあり鍵を開け入って行った。
中は通路になっていて海底リニアのホームのトイレに繋がっていた。
海底リニアのトイレの入り口からホームを見ると、武装した民間人七、八人がホームにまばらに展開していた。
警戒はしていないようで煙草を吸い椅子に座り雑談していた。
俺はトイレの前に静かに十人の兵士を展開させた。
「手を上げろ!」と叫んだ。
声がした方向を見た男達は銃を突きつけられている状況を把握して全員が
手を上げた。
武装しているが民間人で訓練はしていないだろう? 軍服を着た兵士を見た時は恐怖心が湧いたようだった。
武器を回収し俺は聞いた。
「他に仲間はいないか? リーダーは?」
「地上に百人程います。リーダーも其処にいます」
「連格は取れるのか?」
「取れます。携帯電話で」俺はリーダーに連絡させて代わった。
臨時政府の防衛軍で五百名の兵士を連れて来ている。流血は避けたい投降すれば臨時政府に連れて行き希望があれば兵士にする。または解放すると伝えた。
リーダーは地下施設の政府には恨みがあるが、臨時政府の総裁は尊敬していると話し投降した。
俺は海底マンションに連絡し海底リニアの遮断を解除させて警護隊を元に戻した。
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