第22話 臨時政府の発表
続いて画面が明るくなり、一人の男が写った。
「私は副首相の佐藤です。先程、首相より副首相を命じられました。残された国民の皆さま気を落とさないで下さい。私は地上に残り臨時政府を立ち上げます。災害までまだ一年もあります。例え、その日に死を迎えても、その日まで平和で普通の生活をしましょう。自暴自棄になり、暴徒と化し、食料を奪いあい、殺し合っても何も残りません。そして、それは数カ月で崩壊するでしょう。
それなら、最後まで人間らしく生きましょう。まだ希望はあります。首相が言われた地表温度三百度は最悪の条件での数字です。私は政府関係の学者に再度検討させた結果、軌道が少しずれて安定してないので何とも言えないが、三百度までにはならないとの結論が出ました。それで地下鉄、ビルの地階、トンネルなどを改良して、一時的な避難施設を一年中に作ります。
臨時政府の拠点は国会です。地方の道府県には私と志を同じにした政治家が臨時の行政府を立ち上げます。工場、店舗などの経済活動は残った人で継続してもらいます。電気、水道、ガスなどのライフラインも同じです。その時まで頑張って生きましょう。
それでも暴動は起こると思います。この機会に某国が我が国を占領することも考えられて、防衛軍を作りたいので国のために戦う方を募集します」
明らかに地上に残された国民は敗者で避難施設に入れた人々は勝者だった。
敗者には自暴自棄になり食料を略奪して組織化して最終的に避難施設を
襲う暴徒になる人。
諦めて、その日まで普通に暮していく人。
耐えられなく宗教にのめり込む人。
三種類があると分析されていた。そのままだと数カ月で地上は崩壊する可能性があり副首相の佐藤は臨時政府を立ち上げた。
他にも理由があった。それは大国の侵略と地下施設の食料は二年分が貯蔵されてあったが災害が去ってから地上に問題なく地下の住民が戻るためでもあった。
それも首相の計画だった。
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