第23話 大国との戦闘準備

 俺は国会の地下で発表を聞いた。覚悟はしていたがショックだった。ここは三百度に耐えられるか不安だった。


両親の事が気になり連絡した。

母親が電話に出て臨時行政府で父親と一緒に地下で保護して貰えることになったと聞き安心した。

 

舞の事が気になった。暴徒の見廻りの時に尋ねようと考えた。


円華は有名女優だから地下施設に入っているだろう。


佐藤は臨時政府の総裁になり俺を含む十人の自衛隊員が交互で警護していた。やはり、地下施設に入った隊員が多かった。十人の自衛隊員は少ないが皆佐藤氏を尊敬していた。地下施設に入れる資格もあったが佐藤氏を慕い地上に残った。


臨時政府は大国の息の掛かった政治家Hを副総裁にしたが明らかに大国人と思われる十人を議員とした。


総裁は全国から民間人の三十人を議員にして、臨時政府が動き始めた。


兵士の募集で五千人程選ばれたが、一人で五百人を教えるのは困難だった。

優秀な百人を選び訓練して、その一人が五十人を訓練する方法にした。


総裁の警護は三人だったが副総裁は何時も十人の警護が付いていた。


「無理を言って臨時政府に残って貰い悪かった。災害が来る前で百人の訓練が終わったら何時でも地下施設に戻っていいから」


「上官にもそれは言われましたが私は総裁を信じています。災害が去ってから地下施設に行きます。それに両親も臨時行政の仮施設にいるので私だけ地下施設に潜る訳にはいきません」


「良く言ってくれた。実は、地下施設も国民点数を発表する時には、子供と政府の要人、民間大手の役員などでほとんど決まっていたのが現実だった。国民の手前を考えて国民点数制として残りを選んだが、直ぐに入居者は決まって後半はうやむやになっていた。国民を騙しているようなものだった。災害が過ぎた時に祐介君に千名の兵士を率いて地下施設に行って貰う予定がある」


「それは大国との戦闘ですか?」


「恐らくそうなると思う。災害の状況次第だが地下にある政府を攻撃するだろう。無政府状態にするために」


「でも臨時政府があるのではないですか?」


「その前に臨時政府は副総裁が支配する計画だと思う」


「それは総裁を失脚させるか? または言いにくいですが暗殺ですか?」


「そうだと思う。出来るだけそれは避けたいから宜しく頼む」


「はい、分かりました」答えたがその時には何時大国の攻撃が始まるかは俺には検討が付かなかった。

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