第12話 宅配業者

 チャイムが鳴り「宅急便です」と呼ばれて「はあーい」と舞が出ようとしていたので止めた。


「宅急便頼んである?」


「ないよ、でも誰かから来たのかも?」


「差出人と荷物は何か? 聞いて、理由を聞かれたら前に詐欺に遭っていると」


舞がそのように聞くと「すいません届け先間違えていました」配達員は去って行った。


「キシツ、何を警戒しているの?」


「昼間のテレビで配達詐欺の事を放送していたので、それかと?」


マンションの中には勝手に入れなかった。

業者は身分を証明するものが必要だった。俺と伯母さんと翔は登録してあると舞が話していたが、舞は翔をまだ登録してある事を忘れていたらしい。


暫くして、またチャイムが鳴り管理人と警察官がドアの前に立っていた。


映像に警察の証明書が写され舞が中に入れた。


エレベーターホールの前に宅配業者が倒れていて、証明書を奪われたらしい。


宅配業者が尋ねて来なかったか聞かれた。


来たけれど追い払ったと舞が説明した。


警察官は何かあったら通報するようにと帰って行った。


「怖いね、配達員になり済まし何をする積りだったのかしら?」


「強盗だろう?」


「いやだ、 怖い! キシツに止めて貰った良かった」


「これから色々と注意をした方が良い」


旨く話しを逸らしたが、俺の為に舞に危害を加えられるのは不味い、早く出て行かなければと思った。


舞はビデオで何か思い出したか聞いてきたが、不安を与えないように思い出せないと話した。


俺は舞がシャワーを浴びている時にベッドで寝てしまったらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る