第29話 副総裁の死
国会内では副総裁が警護十人を連れて総裁を捜していた。
地上階にはいなかったので地下に降りてきた。
そして、小ホールの中央のドアを開けた。総裁は舞台の手前に警護の五人といた。警護は金属製の防弾の盾で総裁を守っていた。
俺と狙撃手達は点検通路で待機していた。
狙撃手には手を狙うように指示してあり、俺は金属スーツを着ていない副総裁を狙うつもりでいた。
総裁は見つかり銃撃戦になった。総裁の警護は倒されて二人だけ残って盾で総裁を守っていた。
全ての副総裁の警護が入って来たので、俺は狙撃手に指示した。一斉に銃声が響き副総裁の警護員は次々にマシンガンを落とした。と同時に副総裁は胸を撃たれ倒れた。
狙撃手達は通路から降りて手を押えて呻いている男達を拘束した。俺は倒れている男を副総裁と確認した。
一斉に撃ったので自分が殺したとの感覚が薄かった。これが戦争なのだと思った。
また、銃を撃つ前に警護の兵士の廻りに、この前の女の子が見えた。総統のそばにも少し小柄だが別の女の子が影のように見えた。幻覚だがゲームの中のハーフの姉妹に似ている気がした。
やはり精神的に少し異常になっていると感じた。
一部出入口を突破し総裁の兵士達が突入してきて国会の半分以上を占拠した。
総裁は構内放送で副総裁が死亡した事、外と中で三千五百人の兵士が囲んでいる事実を伝え戦闘を中止するよう話した。
そして、副総裁の次の代表に来るように伝えた。
暫くして、数人の警護を連れた男がやって来た。
「我々は、降伏する事は許されない。此処で死ぬまで戦うつもりだ。此処から無事に出る事、追撃しない事を約束して貰えるなら休戦しよう」
たどたどしい日本語で話した。
俺は男の決意を感じて総統に承諾するように助言した。
「分かった。停戦して君達の部隊は外に出て貰う」
代表は承諾して兵士三千人を外に出した。そして、何処かに連絡を取ると地下政府方面に向かって行った。
総裁は不安に思い俺に聞いた。
「このまま、地下政府を攻撃するのか?」
「いや、まだでしょう。指導者を失ったので何処かで部隊を建て直す必要があるでしょう。攻撃方法もこれから計画すると思います。後から来た千人は日本人の部隊だと思います。暴徒が組織化した反政府思想で大国の思想とはそのうち違うと気が付くと思います。何時かその隊長に連絡してみようと思います」
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