概要
騎馬の民アリーが築いたオアシス都市アルスターナ。
都を守る魔導師である「黒銀のタリヤ」と「白金のカザク」は兄妹のように育った。
黒髪に黒曜石の瞳の少女タリヤ。
白金の髪に榛色の瞳の青年カザク。
見た目も能力も正反対の、だからこそ一対の二人。
あどけなさを残すタリヤは草原を馬で駆けるのが好き。
カザクは公の場ではうまく立ち回れないタリヤを庇って生きてきた。
都の泉に異変が起こったことから変わり始める二人の関係。もう兄妹ではいられないのか――。
乾いた草原で生き延びるため、人々は新たな水脈を探す。
心に傷を抱えるタリヤと王権への反感を持つカザクは王宮の陰謀や対立をくぐり抜けていく
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!愛すべき登場人物たちへ、思わず「幸多からんことを!」と言いたくなる
異国情緒溢れる物語が好きで、同じような嗜好の方に、ぜひお勧めしたいです。
広がる草原と水をめぐる大活劇に加え、丁寧に描かれる心の揺らぎが絶妙なバランスで、深みのある世界観に引き込まれます。
見かけは物静かだけど、実は奔放なタリヤと、彼女をやんわり諌めながらも、まだ青さの残るカザク。
彼らの一挙手一投足に、わくわく、そわそわ、もだもだする楽しさたるや!
早くくっつけ〜! と思いつつ、苦悩しながら手を取り合う二人をもっと眺めていたくなります。
個人的に一番好きなのは36話です。ただただ、かわいい……あまりのことにそれしか言えません。
魔導師の二人以外にも、館の人々や軍に王宮まで。魅力的な登…続きを読む - ★★★ Excellent!!!二人の魔術師は対となり、陰謀渦巻く草原を駆けてゆく。
白と黒、拡散と収縮、男と女。魔術師であるカザクとタリヤは運命のように対となり、助け合って暮らしてきました。
幼少期から共に過ごし、何にも代え難い絆で結ばれた二人はやがて成長し、陰謀に翻弄されつつも、絆を深めていくのですが……。
舞台は異国情緒あふれるオアシス都市です。世界観の構築が見事であるだけではなく、主人公以外の人物にもきちんと過去があり個性があるのも魅力的。
13万字強の作品ですが、テンポの良い展開と濃密な設定のおかげで、大長編を読んだかのような満足感を覚えました!
また、忘れてはいけないのが、本作は恋愛ジャンルに設定されているということです。
カザクとタリヤのじれじれな関係性に始…続きを読む - ★★★ Excellent!!!連星のような二人の魔導士が、恋と政治を両輪に草原を駆け抜ける!
舞台は草原。水の枯渇が心配される沙漠地帯に相当する土地で、定住民と遊牧民がそれぞれの暮らしを営んでいます。
主人公のタリヤとカザクは、魔導士の力を持って生まれたことで、幼少期から過酷な体験を強いられ、都市のために生きるべく道筋をつけられてしまいます。
この二人、タリヤは無邪気で可愛らしく、カザクは頭脳派でカッコイイ。
タリヤと共に生きるため、国難すら利用して政治権力に抗おうとするカザクの行動と、そんな彼に女性としての気持ちを徐々に目覚めさせられていくタリヤの成長が、骨太な世界観の中で鮮やかに描かれます。
主人公以外の登場人物たちにも、とても丁寧にスポットが当てられ、その生き様や思いが…続きを読む