草原を舞台に丁寧に描かれた日常と成長の物語

人間兵器ともいえる強大な力を持った二人の魔法使いを主人公に
都市存続の危機、宮廷の権力争い、他国の侵攻と波乱万丈とも言える展開の連続でしたが
宮廷や戦場よりも、あくまでも二人の魔法使いが暮らす家の日常を主軸に据えて
そこに集う人々の日々の営みをじっくりと描写していく
丁寧な物語運びがとても優しく感じられる、そんなお話だったように思います。
悲惨とも言える生い立ちの二人ですが、必要以上に内向きのドラマにならず
周囲と助け合って、二人で前向きに生きていくその成長の過程が読んでいて好ましく思えました。
草原を舞台にした世界観の雰囲気も良かったです。
これ一作で終わってしまうのが少し勿体ない気もしました……。

その他のおすすめレビュー

芦田直人さんの他のおすすめレビュー133