聖女候補として、また貴族令嬢として確かな地位に居た主人公が、あらぬ罪で蹴落とされ、そこから這い上がる物語です。
この主人公ベアトリスは生来、負けん気が強く、他人への当たりも強ければ素直に謝罪も出来ない女性です。
心無い罵声を浴びせつつ、悪い事を言ってしまったと陰で反省する事もしばしば……。
それが理由で自ら窮地を作ってしまう場面もあり、それでも負けん気を発揮して、悲劇のヒロインを気取ったりしません。
そのへこたれない姿、常に前向きで、時に周囲を振り回す姿が格好良い。
優しく清楚、守られる側ではないヒロインを求めるなら、本作の主人公に満足できるでしょう。
最終的には汚名を晴らし、ざまぁする展開となりますが、道中しっかりとそこへ至る線が引かれています。
最後まで満足して読める作品ではないでしょうか。
護られるだけのヒロインではなく、自ら体当たりして打開しようとするヒロインを求めるあなたに、是非おすすめしたい作品です。