風の吹き渡る草原で、少女は大人になっていく

この物語の外側には、いつも広々とした、風の吹き抜ける草原が広がっている。
その一隅で、少女は次第に大人になり、国は街は滅び、そして興る。
壮大な歴史の流れを感じさせつつも、作者の卓越した描写により、そこにある人々の営みが、生き生きとリアリティを持って迫って来る。描かれる世界は、私たちの住む世界と同じように思えて、そのなかに魔法といった不思議の力も内包し、ロマンをかき立ててくれる。
とにかく素敵なお話です。