何て爽快さ!

兄妹のように育った青年カザクと少女タリヤ。
超常の力を持つがゆえに草原の国々の思惑に翻弄されるが、それすらも乗り越えて、力強くたくましく、温かくささやかな愛情を育んでいく。

よい物語ってのはね、匂うんですよ、その世界の匂いが。
この物語はそれだけじゃない。
風の感触がある。
馬が駆けるときの草の匂い、頬にあたる風、読み手がその物語の中にいて、登場人物たちの目線で、感じることができる。
あぁ、何て爽快さだろう!
それに加えて、登場人物たちの魅力的なこと。
読み手は、必ず誰かに感情を移入するに違いないだろう。
贅沢な物語。

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