インビジブル・スカイブルー

「先輩、“鬼”を探しに行きましょう」
　
　“探偵”のその一言で、再び幕が上がる。

　鬼に持ち去られた少年、逃げ続けている青年、透明人間に殺された男、白黒つけるために彷徨う元刑事、人を救おうとした博士、欠けたものを探し続ける少女達…
　
　誰も彼もが同じように幸福を求め、けれどその形は一つとして同様ではない。

　不可視なるものに追われるか、それとも逆に追いかけるか。

　この物語は、三つの視点で綴られる。

　青い空に包まれて、彼らは見えずに惑っている。

　その役名も知らされず、遮二無二演じ続けている。

　その舞台の結末が、大団円であると信じて。