オールドルーキー

「どうなりたいかじゃない、今どう生きたいか、なんだ」
「捨てた、とも言えるのかな。逃げた、とも言えるかもしれない。偶然の繰り返しと言っても良いかもしれない。それでも、今こうしてここいるのは、自分自身の意志だ」

「別に夢が諦められないとか、情熱的な人生をとか、後悔しない生き方をとか、そんなことは思ってないよ。ただ、平凡な、それでも、これは俺だけの人生なんだよ」

30歳を過ぎれば、多くの人が家族を持ち、安定した仕事に就いていく。
夢を追うような生き方ができるのは、一部の成功した人間だけの特権だ。
それ以外の人間は、少しずつ諦め、妥協し、捨て、逃げるのかもしれないし、もしかしたらただ現実と適応していくだけなのかもしれない。

そんな生き方をしていくはずだったのに。

たった一度。しかし、あまり…続きを読む