第24.25話 『でびるず・いんたーるーど!①』
金色に光る豪華な部屋。
そこの円卓を、9の悪魔が囲んでいた。
「4日目しゅーりょーってわけッスけど…。まだ脱落陣営がたった一つッス!みんなタフすぎるッスよ〜!」
「よく言うぞ。お前の所はまだ3人も残っているではないか。」
「そうでございますよ、こちらはもう一人しか残っておりませぬ。」
「…それで、ベルフェゴール。なぜ我等をここに呼んだ?」
円卓の一番奥の席で、ベルフェゴールは静かに笑う。
「…私の陣営は脱落してしまいました。なので残るのは観戦の楽しみのみ…。よって興味本位ですが、生存者達の皆様からの総評を伺いたいと思いまして。」
「まぁここからゲームも後半戦だしな。私は賛成するぞ。」
「…特に異議はないようですので、始めますか。司会進行は私が務めましょう。まずはレヴィアタン様、どうぞ。」
全員が龍頭の小男を見る。
「は、はい…。生存者は1名…犬神瀞峡のみ。彼は生前自己顕示欲を原因にして大量殺人を繰り返していました…。」
機械少女が現れて、全員に資料を配る。
「どれどれ…ふむふむ、悪人だけ殺してるって所がみみっちい感じするッスよねぇ〜。」
「そもそもこの女は誰ですの?見たことはありませんが…」
「新入りです」
「あっ…、何となく察しましたわ。」
「続きを話しますね…。彼の契術は衝撃を吸収するバリアを創り出すもの。硬度はかなりのものです。加護は触れた物を腐食させること。さらに発展して刃のようなものが生みだしてますね…。」
「防御には優れているが、攻撃の際はバリアを解かねばならない。結構使いにくいな。」
「まぁ防御力は一番だと思いますよ…。彼の嫉妬はいい感じでしたが、懸念点は心が揺らぎ始めてることでしょうか。珈砕…余計な事を…!」
レヴィアタンの青い体が赤く変わる。
「レヴィアタンが怒ってますわ!よくあることですが!」
「彼が勝てるかどうかは心の揺らぎが彼にどう影響を及ぼすか、でしょうね。あ、次の人は貴方が指名してください。」
「はい、以上です…。次はルシファーさん、お願いします…。」
「あぁ、わかった。」
ルシファーは自身へとスポットライト当てるために、後光をより一層輝かせる。
頭上の輪の傾きを直して、語り始めた。
「生き残りはジェシカ・ファナティカと武丸仁王。まずはジェシカから行くか。彼女は、オグロ教という宗教団体の教祖の娘だ。親とは違って慈悲深くて信心深く、神を敬虔に信じていた。その筈だ…その筈なのに、強い『傲慢』を感じたな。」
「優しそうな人に裏が…ってのは、ありがちな設定ッスね。ルシファーちゃん可愛い!」
「やめろ。契術は光線を放つもの。そして加護は…ちょくちょくだが使用しているな。これに関しては秘密だぞ。使った時にあっと驚かせたいからな。そして、意思の強さも、切り替えの早さも、フィジカルすらも一級品。間違いなく優勝だな。」
「これをフラグと言うのでございます。ほっぺた赤くなったルシファーちゃん可愛い。」
「やめろと言っているだろう。次に武丸仁王。親の七光りで警察官になった。まぁはっきり言って小物だな。契術はブラックホールの生成。ピンポイントで物を吸い込むという特徴は強みにもなるし弱みにもなる。」
「なかなか有用なものだな。…我も言ったほうが良いのか?」
「言わんでいい。まぁ私はこれ以上言いたいことはない。ジェシカが暴走する可能性はあるが、武丸が…抑えられるかかなり不安だぞ。あ、次はマモンを指名する。」
「承知いたしました。…と言っても残っているのは一人だけですが。合理帝、年齢は29歳。職業は元外科医…今はフリーターですね。来歴はあの裁判で明らかになった通りでございます。」
「ここ最近までは良くも悪くも甘い性格が見受けられましたが…、今はその片鱗すら感じ取れませんね。」
「仲間思いな性格が裏返ったのでしょう。契術は傷を治す能力。但し死者には効果はありません。加護はありとあらゆる物を創造する、というものです。」
「あー、質問だ。」
「どうなさいましたか?アスモデウス。」
「『ありとあらゆる物』の定義を教えてほしい。」
「この世に存在する物なら全て…です。今の所はですが。」
「なるほど、ありがとう。攻撃力はやや低めだが…どちらかと言うと耐久型の戦闘スタイルみたいだな。本人の性格にも合っていていいんじゃないか。」
「えぇ、彼にはとても期待ができます。あ、次はベリアルを指名しますね。」
ベリアルは翠の髪を弄っていた。
「了解ですわ。それでは解説に参りましょう。」
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