第30話 九鬼神天真

 不意に、ひとつ隣りのドアが開き、モデルのような長身のイケメンが顔を出した。



「どォも……」ボクが会釈するとカレも微笑んで応対した。


 だが病み上がりのように顔面蒼白だ。



「うゥ……(´-﹏-`;)!!!」

 見るからに美男子なのだが、如何いかんせん体調が悪そうだ。

 まったく顔色がすぐれない。




「あのォ〜……(☉。☉)!? 大丈夫ですか」

 あまりにも具合が悪そうなのでボクも心配になり声を掛けた。



「あァ……、平気だよ。今、ちょっと酔止めを飲んだから」

 イケメンは苦々しそうな顔で応えた。


「ン、酔止め……」


「えェ、極度の船酔いで……(´-﹏-`;)!!」

 かなりつらそうだ。


「なるほど、船酔いですか」

 だから顔色が優れないのか。



「よォ、クッキー!!」

 今度は通路の向こうからジョーダンが声を掛けてきた。



「クッキー……!!」

 このイケメンモデルのことだろうか。


「ッたく、頼むぜ。妖怪ハンター!!」

 ジョーダンは馴れなれしくモデルに微笑んだ。


「妖怪ハンター……!!」

 なんだ。それは。



「あのなァ、ボクは妖怪ハンターなんかじゃないよ!!」

 


「チン太郎!! カレは、オレの友人のクッキーだ!!」

 ジョーダンはボクにカレを紹介した。


「クッキー……? 野性爆弾となにか、関係あるのか」

 とてもそうは見えないが。



「フフフ、違うよ。ボクの名前が九鬼神ッて言うんだ!! いきなり人に紹介するのに、クッキーッてあだ名で呼ぶなよ」



「クキガミィ……(☉。☉)!!!」

 なんだッ。それ。変な名前だ。



「そ、カレは九鬼神クキガミ 天真テンマ!!

 超常現象研究家だよ!!」

 またジョーダンがカレを紹介した。



「クキガミ テンマ……(☉_☉)!??

 なんだよッ。超常現象研究家ッて?」







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