第32話

「もちろん御伽草子の『浦島太郎』とは縁もゆかりもないけどねえェ……」

 自己紹介の際、いちいち断るのが面倒だ。




「ケッケケェ……、億劫だから、この際ご先祖が浦島太郎ですッて事にしちゃえよ!!」

 またジョーダンは混ぜ返した。



「あのなァ……、御伽草子の浦島太郎はラストに玉手箱を開けて、おジイさんになってるだろォ!! 子孫なんて居ないじゃン!!」



「だから、龍宮城で乙姫たちと合体したッてことでェ……、その子孫なんだってした方が面白いだろう!!

 ケッケケェ……」

 ジョーダンは自分で言って腹を抱えて笑い出した。



「どこがだよォ……!!」

 コイツは、他人事だと思って茶化してばかりだ。








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