第29話 イケメン

 まさか炎天下のフェリーの甲板で、これ以上、濃厚なラブシーンを演じるワケにもいかない。


「なによォ……(。•̀ᴗ-).☆゚.*・。゚

 照れちゃって、私たち結婚するのよ!!」


「えェ……、ハイ」

 そうなのだが。やはり正直に言って照れくさい。



 なにしろ女の子とデートをしたことさえないのだ。

 本当に、この美少女の姫乃と結婚するのだろうか。



 ボクは姫乃に招かれて、高速フェリーのスイートルームへ連れて行かれた。



「ちょっと、そこで待っててェ……」

 姫乃はボクへ通路で待機するように命じた。


「え、あァ……」ボクは軽く頷いた。

 彼女は女医のマリアたちの方へ向かっていくようだ。楽しげに話し込んでいる。



 ボクはスマホを出して中身を確認した。



 不意にひとつ隣りのドアが開き、モデルのような長身のイケメンが顔を出した。










☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚

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