第11話 久遠《くおん》ヤマト

 なにしろボクたちは健康な身体だけが唯一の取り柄だ。



 フェリーに乗り込み、甲板で談笑していると不意に、背後から男性に声を掛けられた。


「フッフフ、キミたちもエデンへ行くのか」



「えェ……?!」

 振り返るとインテリ風のイケメンメガネ男子が微笑んでいた。

 メガネ男子と言ってもボクらよりは歳上だろう。落ち着いて見える。



「ハイ……、あなたもですか」


「ああ、ボクはヤマトだ!! 久遠クオンヤマト!!」


「ヤマト君?! ボクは浦島です」


 

「浦島……、太郎!!」

 苦笑いを浮かべ、ヤマトは軽くグーにして握った右手を差し伸べてきた。

 

「まさか。浦島真太郎ですよ!!」

 ボクも彼に合わせてグータッチをし会釈をした。



「遠慮なくチン太郎ッて呼んで良いよ!!」

 横からジョーダンが口を挟んだ。



「バァカ!! 少しは遠慮しろよ!!

 コイツはジョーダンです」

 ボクは親指で親友を紹介した。


「ン、ジョーダン……(ಠ_ಠ)!!」



「まァ、宜しくね。ヤマトくん!!」

 ジョーダンも笑みを浮かべ、彼とグータッチをした。

 







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