第19話

 ジョーダンは愉しげにボクの股間へ手を伸ばしてきた。



「バァカ!! 触るなよ」

 コイツは美貌の女医たちの前で何をする気だ。

 未だにコイツの頭は厨二病の真っ只中だ。



「ちょっとマリア先生!! 良いですか?」

 ジョーダンは手を挙げイヤらしく笑ってみせた。


「フフぅン、ジョーダンね。あなたも何の異常もないわ!!」

 マリアはカルテを確認し優しく微笑んだ。


「そりゃァ、当然ですよ。それより先生!!

 彼氏は居ますか!!」

 単刀直入だ。


 チラッと左手の薬指を見たが結婚指輪はしていない。取り敢えず、結婚はしていないようだ。もちろん女医なので指輪はしないタイプなのかもしれないが。



「フフ、居ないわ。どなたか紹介して下さッて?!」

 少し妖艶に微笑んだ。白い歯がヤケに印象的だ。


「いやァ、だったらボクが立候補しようかな!!」

 ジョーダンは軽口を叩いた。


「フフ、ありがとう……( ꈍᴗꈍ)!! 考えておくわ!!」

 しかし女医は曖昧に笑顔で応えた。



「ハイ、じゃァ、みんな。これ飲んで!!」

 看護師のリンダがカプセルの錠剤をボクたちへ配った。


 淡いピンク色の白衣を着ている。


 まるでAVに出てくるようなミニスカートだ。今にもパンツが見えそうなくらい丈が短い。健康的な白くムチムチとした太腿がセクシーだ。



「これは……?!」ヤマトは渡された錠剤を見て尋ねた。



「フフ、酔い止めよ!! エデンへは、高速フェリーでも優に半日くらい掛かるから」




「ン、酔い止めか……?!」








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