第13話 【龍宮伝説】

 ケラケラ笑いながら、無断でボクの股間を掴んだ。


「バァカ!! どこ掴んでるんだよ!!

 厨二病かァ!!」

 まったく美少女たちが周りにいるのに恥ずかしい。



「キミ、浦島ッて名前なら、【龍宮伝説】を知ってるだろォ!!」

 メガネ男子のヤマトは遠くの海を見つめながらつぶやいた。



「えェ? 【龍宮伝説】……!! もちろんいろいろな伝説を知ってますが」

 なんだろう。

 いきなり……。


 ボクも『浦島』の姓なので、その関係の伝説には普通の人よりも詳しいつもりだ。

 



「ケッケケェ……、でも『浦島太郎』ッて、よくよく考えたら、ムチャクチャな話しだよなァ……(. ❛ ᴗ ❛.)!!」

 横でジョーダンが茶化すように笑った。




「えェ……?!」



「だってさ!! 桃太郎とか一寸法師とか、みんな昔話しッて、勧善懲悪じゃン!!」



「ンうゥ……(ب_ب)!! 確かにね」

 そんなことは先刻承知だ。



「桃太郎は、イヌやサル、キジと一緒に鬼ヶ島へ行って鬼を退治して、育てのおじいちゃん、おばあちゃんや鬼に略奪された村人たちに、お宝を持って帰るだろォ!!

 一寸法師だって、さァ」



「ああ……、姫をさらった鬼を退治して、打出の小槌こづちで大きくなり、助けた姫と結ばれる」

 ボクも頷いた。


「そうそう、だいたい昔話しッてめでたし、めでたしで終わるじゃン!!」


「ううゥン……(ب_ب)!! まァねえェ」


「なのに、浦島太郎だけは勧善懲悪でもないし、ハッピーエンドでもないだろォ!!」



「うン……」

 ここで言うことではないが。

 確かに、ジョーダンの言う通りだ。








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