このお話を読んでいて唐突に祖父母の住んでいた家を思い出しました。田舎というわけではないですが古い木造の家屋で、家、庭と敷地も広く。奥まった位置にあった薄暗い畳の間は、幼心に少し怖かったな、なんて。こちらのお話はそんな風に、読み手の思い出にも語りかけてくる。持つ雰囲気は素晴らしく、ホラーのタグになっていますが「ぞわわっと来たわ!」「うわっ怖!」という判りやすい種類のモノでは無く。ただそこにある「ならざるモノ達」が、静々と読み手のすぐ傍までやってくる。儚くも美しい少女を担い手として。
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