#13 頭の悪い主張と裏切り者
その後、3人で洗い物を片付け、玲ママは買い物に行くというので玲と僕はお留守番することにした。
玲ママが帰って来たので僕はそろそろお暇をと引き上げようとすると、玲ママから「ジンくん、今日はウチにお泊りよ。ジンくんママにはおばさんから言ってあるからね」と既に先手を打たれていた。
やるな玲ママ。侮りがたし。
夕飯は、カレーの残りがあるのでカレーライスにして、サラダを玲と玲ママの二人で作ってくれることになった。
玲ママからお手製ドレッシングを玲は教わっていた。
玲と玲ママの二人がキッチンに並んで調理するのを眺めながら、僕は最近の玲の変化を思い返していた。
2つ目の試練”読書以外の趣味を見つける”は、僕に依存しきっている玲に、僕以外にも目を向けられる様になって欲しくて決めたことだった。
更に新しい趣味を通して、玲自身に自主性を身に付くことが出来れば、という思いもあった。
今のところ順調に玲は変化しているように感じる。
何より、1つ目の試練に比べ、玲自身が無理せず自然に変化を受け入れているように感じる。
そろそろ3つ目の試練を進めて行くか、どうやって取り組もうかと考えながら夕飯を食べた。
食後、また3人で洗い物を片付け、お風呂の時間になった。
そこで玲ママが唐突に
「今日は3人でお風呂に入ろう!」と言い出した。
「はぁ!? 無理です駄目です嫌です!無理無理無理」と普段のクールキャラを忘れて全力拒否したが
「今日は玲ママのお誕生日です!今日の玲ママは王様です!王様の命令は絶対です!」
と頭の悪い主張をし始めたので、玲にも止めてもらおうと視線を送ると
「私も今日は3人がいい」
と速攻で裏切りやがった。
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