#25 順調
玲ママが渚先生との電話に夢中になってしまっているので
・渚先生に会いにいく約束
・奥田仁も同行していいか
2つ確認お願いします
と広告の裏にマジックで大きく書いて、玲ママに見せた。
ようやく本来の目的を思い出した玲ママが
「そうそう、本題忘れてました、玲が先生に会いに行きたいって言うんですけど、大丈夫ですか?そうですかよかったよかった、それで一人だと心配なので、奥田仁くんも一緒に同行させたいんですけど大丈夫ですか?ええ、そうです、そのジンくんです」と話をつけてくれた。
最後に「ちょっと待って下さい」と言い、「ほら玲ちゃん、最後にご挨拶しなさい」と玲にケータイを渡した。
玲は右手でケータイを受け取ると、左手で僕の腕を握り、ぶるぶる震えながらそっとケータイを耳に当てた。
消え入りそうなか細い声で
「・・・もしもし・・・」と恐る恐る問いかけると、渚先生から玲に話しかける声が僕にもかすかに聞こえた。
渚先生は玲を気遣ってか、ゆっくり優しい声で玲へ話しかけているようで、玲も小さい声で「うん、うん」と答えていた。
玲と渚先生がやり取りしている間に、僕と玲ママで渚先生のお宅へお邪魔する日程の確認をした。
基本的に平日ならいつでもOKということなので、4日後の火曜日午前10時で先生の都合を確認することにした。
最後に玲がゆっくりした口調で「先生に会えるの楽しみにしています。おやすみなさい」と語り掛け、ケータイを玲ママに返した。
ケータイを返してもらった玲ママが先生の都合を確認してくれて、電話を終了した。
「玲ちゃん、先生に会いにいけるよ!良かったね!」
「玲、最後少しだけど、ちゃんと先生とお話し出来てたね!すごく頑張ったね!」
と玲ママと僕とで玲を誉めそやすと
「うん、よかった」
と胸に手を当て心底安心した顔をした。
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