#17 流石、母上
食事後、玲がウチの母へ報告とお礼が言いたいとのことで、二人でウチへ移動した。
母へは、玲ママが凄く喜んではしゃいでいたこと、今日から朝ごはんを担当することになったこと、色々教えてくれたり相談に乗ってくれたことへのお礼を玲が自分で話した。
母は柔らかな表情で玲の頭を撫でながら「頑張ったね。流石わたしの教え子。これからも遠慮なく相談してちょうだいね」と返してた。
二人の微笑ましいやり取りを見ていた僕は、先ほどの作戦会議のことを思い返していた。
子供だけの意見だけじゃなくて、大人の意見も聞いてみたくなったのだ。
「母さん、僕からも相談があるのだけど」
小学校卒業後の不安、今取り組んでいる3つの試練の事
その取り組みの中で料理の練習を始めた事
1つ目と2つ目が順調なので3つ目に取り掛かろうとしている事
会話出来る3人とそれ以外の人との違いを分析する中で、ヒントを掴みかけている事
他人との交流の切欠になるものが何かないか悩んでいる事
渚先生や八百屋のおばちゃんなら怖くない事
これら細かいところも含めて話した。
クッションでぶん殴られた話は伏せておいた。
中々のボリュームの話をいきなりしたせいか、母は直ぐに返事が出来ない様子でう~んと唸っていた。
「とりあえず、最近の玲ちゃんの変化に色々納得出来ました」
「やっぱりジンが絡んでいたのね。そうだと思ってたけど」
「まずはお母さんからのアドバイスは、その他人との交流を始める切欠に手紙を書いてみるのはどう?」
「手紙なら相手の顔を見る必要が無いし、自分の言いたい事も時間をかけて落ち着いて文章に出来るでしょ?」
ここまで聞いて、おおぉ~と感嘆した。
流石母上、手紙という発想は無かったし、玲にとってこれ以上の方法はないだろうとも思えた。
玲はどう思っただろうかと視線を向けると、僕と同じことを考えたのか、ウンウン頷いていた。
そんな僕達の様子を見た母は「参考になったみたいね」とお茶をすすっていた。
「母さんありがとう。とても参考になりました。また何かあったら相談します」とお礼を言って、早速玲と二人でレターセット買いに出かけることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます