第15話本当の家族
「この前大輝と戦ってからステータスが ちょっと 下がったような気がする!」
「なんでだ まさかこの首輪のせいか!」
「どうぞ、こちらに座ってください」
大輝達はそう言われて椅子に座った。
「それで何があったんですか一
体?」
「それでは、説明しますね」
大輝はそう言って男の人に今まであったことを説明した。
「なるほど、つまり、あなた方はギルドから、病気を治すためにこの村に来てくれたんですね」
「でも、いきなりどうして私達の体から黒い手なんかが出てきたんですかね?」
「でも、大輝さん、この前他の街に行って病気を治した時には黒い手なんてなかったですよね?」
シヲンは疑問に思い大輝に聞いた。
「そうだね、あの人達はヒールかけたらすぐに治ったもんね」
ミイシャはシヲンの言葉に頷き、そういった。
「ということは、うちの村にはまた違う病気が流行ってるってことですかね?」
「これは俺の予測でしかありませんが、魔王復活が近くなってきて、その分病気も近くなってきたんじゃないでしょうか?」
「それは分かりませんが、とりあえずあの虫達は倒したんでしばらくは安心して大丈夫だと思いますよ」
「分かりました。教えてくれてどうもありがとうございました」
「それじゃあ、俺達はモンスターが生き残ってないか確認してきますね」
大輝はそう言ってその家を出た。
「シヲンさんミイシャさんまた、再び別れて倒し損ねた虫がいないか念のため確認しておきましょう」
「はい!」
2人は大輝にそう言って探し始めた。
そして1時間後。
「大輝さんどこにも虫はいませんでしたよ」
「それはよかった」
大輝はほっとした表情でそういった。
「あ!そういえば2人ともあの黒いトゲって持ってたりします?」
「はい一応回収しておきましたけど、これを一体何に使うんですか?大輝さん」
シヲンはそう言いながら黒いトゲを大輝に手渡した。
「これを
「え!!!大輝さん上位スキルの鑑定まで、使えるんですか!」
2人はとても驚いた表情でそう言った。
「スキル鑑定」
<呪いの力を持った黒いトゲ生き物を生み出す力を持っています>
「それじゃあ、さっきの虫のモンスターはこの黒いトゲの中から生まれたんですね」
シヲンは納得した表情でそういった。
「それじゃあ、魔王の復活が近づいてるから、ここの村にその黒いトゲの病気が流行ったってことですかね?」
ミイシャも納得した表情でそう言った。
「ええ、それで間違いはないと思いますよ」
大輝達が村の中を歩いていると、1人の女の人がシヲンの方に向かって歩いてきた。
シヲンがその女の人を見た途端目を丸くして驚いた。
「なんでお母さんがこんなところに!」
「えっ!シヲンさんのお母さんですか?」
「はい」
シヲンは大輝に小さい声でそういった。
そういうシヲンの表情は少し怯えているように見えた。
「あなたに話があるから、私に黙ってついてきなさい」
お母さんはそう言いながらシヲンの腕を強い力で引っ張った。
「やめてよ、お母さん!」
シヲンはそう言ってお母さんの手を振りほどいた。
「わがまま言ってないで黙って私について来なさい!」
お母さんはそう言って再びシヲンの腕をつかもうとする。
大輝はそのシヲンの手を掴みこう言った。
「あの嫌がっているので無理やり連れていくのわやめた方がいいと思いますよ」
「は?あんた、誰よ!」
「あ!失礼しました、僕の名前は青宮大輝と言います」
「シヲンさんのパーティーメンバーです」
「ただのパーティーメンバーが家族の問題に口を出すんじゃない!」
「それはそうなんですが、村のど真ん中で喋っていたら、人目に付きますよ」
「それもそうね。場所を変えるわよシヲン」
シヲンは少し顔に涙を浮かべながらお母さんについていった。
「あの、俺達にもその話聞かせてもらっていいですか?」
「は?無関係のお前達には関係ない話だよ」
「無関係なんかじゃありません同じパーティーメンバーです!」
「はぁ、分かった。ただし黙ってついてきなさい」
「はい、分かりました」
大輝達はお母さんについていってお店の中に入り席に座った。
「大丈夫なんですか?大輝さん家庭の事情に首を突っ込んだりして」
ミイシャは大輝の耳元に向かって小さな声でそう言った。
「どうしてもシヲンさんのことほっておけなかったんですよ」
「シヲンあなたには街に戻ってきてほしいの」
「なんでいきなりそんなこと言うの!」
シヲンは怯えながらそういった。
「噂で聞いたんだけど、あなた、ランクSランクよね?」
「確かにそうだけどこの前街に行った時お母さんいなかったじゃない!」
「町の中でもうすぐ魔王が復活するっていう噂が流れてるのだから、その時のために、あなたに戻ってきてほしいの」
「勝手なこと言わないでよそもそも私とミイシャを町から追い出したのはお母さん達の方じゃない!!!」
「はぁあんた、本当にめんどくさいわね」
お母さんはそういうと別人のように顔が変わった。
「そうそう、言い忘れてたけど、あなたが付けているそのペンダントから魔王の子供が出てきたら、本当はあなたは死ぬはずだったのよ」
お母さんはそう言った。
「なのに、まさかあなたの封印が解けても生きてるなんて思わなかったわ」
「じゃあ、まさか、あなたは最初からシヲンを殺すつもりでペンダントに魔王の子供を封印したんですか!」
隣に座っていたミイシャが立ち上がりそういった。
「ええ、そうよだけど、生きてるんだったら、せめて人の役に立って死んでもらおうと思って」
「どうせ死ぬんだったら、人の役に立って死んだ方があなたも嬉しいでしょう」
「さっきから黙って聞いてれば好き勝手言うなんて仮にも自分の娘だろう!!!」
大輝が立ち上がりお母さんにそういった。
「は?だから、あんたは黙って聞いてなさいって言ってんでしょう!」
「それに自分たちでシヲンさんを追い出しておいて、都合が悪くなったら戻ってきてってそんな都合のいい話があるわけないだろう!!!」
「いいえ、関係ありますよ、仲間なんですから!!!」
ミイシャは立ち上がり泣きながらそう言った。
「ち!わかった、もういい」
お母さんは舌打ちをして店を出ていった。
「大輝さんありがとうございます。私のために怒ってくれて」
シヲンは目に涙を浮かべながら、笑ってそう言った。
「シヲンさんもう無理しなくていいんですよ、俺達は家族みたいなものなんですから」
大輝はそう言ってシヲンのことを優しく抱きしめた。
「そうだよシヲン私達はいつ、どんな時でも裏切ったりしないから」
ミイシャはシヲンの頭を優しく撫でながら、そういった。
「ありがとうございます。2人とも私はこれから大輝さん達と一緒に新しい人生を歩んでいきます」
「その意気だよシヲン」
ミイシャは笑顔でそういった。
そして大輝達はそのお店を出た。
「そういえばどうしてここにいるってわかったんだろうね」
俺の予測ですけど風の噂かなんかで聞いたんじゃないですか?」
「きっとそうですよね」
ミイシャは大輝に笑顔でそう言った。
「まさかまたあの女と会うことになるとはな」
シヲンがつけているペンダントからカルムの声が聞こえてきた。
「カルムその状態でも喋れたのか!」
大輝は驚いた顔でそう言った。
「そういえば!カルムちゃん本当だったらシヲンは死んでるはずだったっていうのは本当なの?」
ミイシャは疑問に思いそう聞いた。
「いや、あれは嘘だ」
「そういえばさっきの言い方だとシヲンのお母さんに1回会った事がある口ぶりだったけど?」
「ああわらわもシヲンのお母さんのことは嫌いだったから何やってもうまくいかない呪いをかけておいた」
「あ!あと、さっきシヲンに嫌なことをした分の30倍の呪いが襲い掛かってくるようにしておいた」
「なんて言っていいのかよく分かりませんが、とりあえずありがとうございます」
そして、大輝達は村へと戻った。
面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。
最後にブックマークもいただけると嬉しいです。
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