第7話死の首輪

「こいつは化け物だ!!!」



「何やってんだ、てめえら!!!」



そう言いながら近づいてきたのは、大輝をパーティーから追放したベルフだった。



「ボス!」



倒れている人達は、かすれた声でそう言った。



「ベルフさんなんでこんなことをするんですか!」



「お前が俺たちのパーティーを抜けた後SSSランクの冒険者としてギルドで働いているっていうからその実力を見せてもらおうと思ってな」



「だからってどうして街の人達を巻き込んだんですか!」



「お前の本当の実力を知りたかったからだ!」



「たったそれだけのことで!!!」



その言葉を聞いた瞬間大輝の目は鋭い目つきに変わった。



「分かりました受けて立ちましょう!!!」



大輝はベルフに剣を向けながらそう言った。



「ただし、場所を移動しましょうここだと被害が出てしまいます!!!」


「別に俺はお前と戦えれば、どこでもいい」



大輝達は広い草原に移動した。





「ここならいいだろう」


「一つ戦う前に教えてください。前に一緒にいたパーティーメンバーはどうしたんですか?」」



「ああ、あいつらはお前がパーティーから抜けた後、すぐに大怪我を負ってパーティーを解散することになった」



「全く使えないやつらだったよ!」



「って!そんなことはどうだっていい、俺はお前と戦いたいんだ!」



ベルフはそう言って剣を構えた。



「大輝さんーーー!」



「シヲンさんミイシャさんついてきたんですか!」



「ええ私達がたとえ何もできなかったとしても、見守ることぐらいはできますから」



シヲンが力強くそう言った。



「それじゃあいくぞ!」



「ああ!」



2人はそう言って武器を構えた。



2人はゆっくりと距離を詰めていく。



「くらえ大輝ーーー!!!」



大輝はその剣を余裕の表情で避けた。



「ベルフさんは相変わらず動きが大振りですね」



「そんなお前が俺の剣を避けるなんて!」



「パーティーにいた頃はベルフさん達が勝手に俺のことを無能だと思ってたみたいですけど、どうやら計算違いだったようですね」



「くそ!これならどうだスキル火炎かえん剣!」



大輝は切られそうになっているのにも関わらず冷静な表情を浮かべたまま全く避けようとしなかった。


(すぱ!)



ベルフが大輝の方を向くと今切ったはずの右肩には傷一つ付いていなかった。



「どうしてだ、どうして今確かに剣でお前の肩を切ったはずなのに!」


「おれの装備には自動回復のスキルがついてるんですよ」


「自動回復のスピードは0.5秒でHPを1回復できるんです」



「つまり、あなたの剣のスピードじゃ自動回復には着いてこれませんよ!」




(すぱ!)




べルフは大輝の早すぎる攻撃に全くついていけなかった。



何だ、今一体何が起こったんだよ俺は切られたのか!!!



「さあ、どうしますか、このまま戦いを続けますか?」



大輝はベルフに圧をかけながら距離を詰めていった。


「これ以上俺達に何もしないって言うんだったらこれをつけろ!!!」



「スキル死の奴隷!どれい



そう言って大輝はスキルを発動させて一つの首輪を出した。



「今度俺に逆らったりしたらこの首輪の本当の能力を発動させて、お前を殺すからな覚悟しとけよ!!!」



大輝は鋭い目付きでそう言いながらベルフの首にその首輪をつけた。



「わ、わかったもうお前達には何もしない約束する!!!」



ベルフは冷や汗をかきながら、そういって逃げていった。



「大輝さんすごいですねあんな強そうな人に、無傷で勝つなんて!!!」



シヲン達はそう言いながら大輝に駆け寄ってきた。



「ええ、なんとか、でもくぎはさしておきましたけど、多分また来ると思いますけどね」



「とりあえず街に戻りましょうか」



「そうですね大輝さん」



そして大輝達は街に戻った。





「あのー闇ギルドの人達は?」



「僕達が今倒してきました」



「やったぞこれでこの街に平和が戻ったぞーーー!!!」



街の人達は泣いて喜んでいた。



「よし、私達で英雄えいゆう様達を胴上げするぞ!!!」



「おおーーー!!!」



街の人達は大輝達3人を囲って胴上げをした。



「そうだ今日は助けていただいたお礼に、私達におもてなしをさせてください」



「いいえ、さすがにそこまでしていただくわけには!」



大輝は申し訳なさそうに言った。



「まぁまぁ、遠慮なさらずに」



「それじゃあ、お言葉に甘えて」



大輝達は大きな家にまねき入れられた。



「この度は本当に本当に私達を闇ギルドの人達から助けていただいてありがとうございました」



街の人達は大輝達に精一杯の土下座をしながらそういった。



「そんな俺は大したことなんてしてませんよ、皆さん頭を上げてください」



「大輝さんはあなた方を助けたかもしれませんけど私は本当に何もしてませんから」



シヲンは申し訳なさそうにそういった。



「私達はただ大輝さんの戦いを見ているだけで、何もできませんでしたから」



ミイシャも申し訳なさそうにそう言った。



「いえいえ、私達は恐怖きょうふのあまり大輝さんの戦いを見に行くことすらできませんでした」



「だから、大輝さんの戦いを、私達の代わりに見届けてくれただけでもありがたいですよ」



「そう言っていただけると嬉しいです」



シヲンが笑顔でそう言った。



「さあ皆さん、あちらの部屋にお料理の準備ができましたよ」



「はい」



大輝はそう返事をして部屋の中に入った。





「それじゃあいただきまーす!」



「そういえばずっと気になってるんですけど、俺の前にある、あの木箱の中には何が入ってるんですか?」



大輝は木箱の方を指差しながらそういった。



「あの中には長きにわたる魔王カリブリスとの戦いの時に勇者が着ていた装備が入ってるんです」



「もしよかったら見てみますか?」



「はい、是非見てみたいです」



大輝がそういうとその扉を開けてくれた。



その中に入っていたのはいかにも勇者が来そうな防御力の高い装備だった。


ミイシャはその鎧を見て心を躍らせていた。


いつも大人しいシヲンもその鎧を見て目を輝かせていた。



しばらくして。





「それでは俺達はそろそろギルドに戻りますね」



「ご飯ごちそうさまでした」



大輝達はそう言って頭を下げてお礼を言った。



そして大輝達はその村を出てギルドへと戻った。





「すっかり長居しちゃいましたね大輝さん」


「まぁでも楽しかったからいいんじゃないですかね」



ミイシャは笑顔でそういった。



大輝達はそんな雑談をしながら、ギルドに戻った。





「皆さんお帰りなさい」



受付の人がいつものように笑顔で出迎えてくれた。



「それでは、ギルド長の所に行って、結果報告してきてください」



「はい」



大輝達はそう返事をしてアデルのところへ向かった。





「失礼します」



「大輝さんどうでしたか、クエストの方は?」



「遅くなって申し訳ないのですが、クエストは無事クリアしました」



「そうですか、それなら良かった」



アデルはほっとした表情でそう言った。



「それでは、それぞれ500金貨になります」



アデルはそう言いながら大輝達にお金が入った巾着きんちゃく袋を手渡した。



「その袋の中には金貨200枚ずつ入ってます」



「今回もありがとうございました大輝さん」



「それにシヲンさん達も」



「僕達にまた何かできることがあれば、遠慮なく言ってください」



「ありがとうございます」



「それでは失礼しました」



そう言って大輝達は部屋を出た。



面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。


最後にブックマークもいただけると嬉しいです。

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