第14話寄生虫
そして、次の日。
「すいません、何度も何度も大輝さんをお呼びしてしまって」
「それは別にいいんですけどアデルさんが僕達をここに呼んだってことは緊急クエストですよね?」
「はい、そうです、話が早くて助かります大輝さん」
「今回の緊急クエストは遠くの村でまた病気が流行り始めたみたいで大輝さん達にそこに行ってもらいたいんです」
「分かりました。つまり僕達がそこに行ってその病気を直してこいということですね」
「はい、よろしくお願いします皆さん」
「はい、私達にお任せください!」
シヲンは力強くそう言った。
「それじゃあ、今回の村は遠いので馬を用意しますね」
「はい、よろしくお願いしますそれじゃあ、僕達は馬が来るまで外で待ってますね」
大輝達はギルドの外に出た。
しばらくすると、目の前から一頭の馬が走ってきた。
「それじゃあこの人達を目的地まで送ってくれ」
「はい、分かりましたアデル様!」
「それではみなさん、こちらにお乗りください」
「ありがとうございます」
大輝達はそう言いながら席に座った。
「それじゃあアデルさん行ってきますね」
大輝達は後ろに振り返りアデルに手を振りながらそう言った。
「大輝さん達もどうかお気をつけて」
そして、大輝達は遠くの村へと向かった。
「それじゃあ、私はここで待っていますので、またギルドに戻りたい時はお声かけください」
はい、ここまで送っていただいてありがとうございました。
大輝達はそう言って馬を降りた。
周りを見渡すと、この前の村と同じように村の人達を治療している光景が広がっていた。
「皆さん来てくれたんですね!」
男の人が大輝達にそう言いながら駆け寄ってきた。
「ギルド長から話を聞いています!」
「それでは、早速こちらに!」
「はい!」
大輝達はそう返事をして男の人についていった。
「この人達を直せばいいんですね!」
「お願いします大輝さん!」
大輝がその人にヒールをかけようとしたその時!
大輝はその人の胸のところに黒いトゲがあることに気づいた。
なんだこれ、まぁとりあえずヒールできっと治るだろう。
大輝はそう思い再びヒールをかけようとしたその瞬間その人の胸から黒い手が飛び出し大輝の首を掴んだ。
「なんだこれ、モンスターか!」
ゆっくりとその人の体から虫のようなモンスターが出てきた。
「うあああ!」
虫のようなモンスターがそう叫ぶと他の村人の体からも同じ虫が大量に出てきた。
「なんなんですか、大輝さんこれ!」
「俺にもわかりませんよ!」
「とりあえずこいつらを倒すしかないみたいです」
大輝がそういうとシヲンとミイシャは武器を構えた。
「皆さんは今のうちにこの村から逃げてください!」
シヲンが村人たちにそういった。
「でも、
「私達が全力で守りますから、早く逃げてください!」
「分かりました、どうかご無事で!」
虫たちは大輝達ではなく、村人に噛み付いた。
すると噛み付かれた村人達は大輝達の方に向かって歩いてきた。
「何をやってるんですか、逃げてください!」
ミイシャがそういうと村人たちがいきなりミイシャに殴りかかってきた。
ミイシャはそのパンチをギリギリで避けた。
「いったいどうしちゃったんですかこの人達!」
ミイシャは少し驚いた表情でそう言った。
「おそらくあの虫たちに体を乗っ取られたんでしょうね」
「そんなどうすればいいんですか、大輝さん!」
「ミイシャさん達は少し下がっててもらえますか?」
「はい分かりました」
2人はそう言って大輝の後ろに下がった。
(シュン!)
その瞬間、体を乗っ取られていた村人達は全員倒れた。
「大輝さん今一体何をしたんですか!」
2人は驚いて大輝にそう聞いた。
「心配しなくても大丈夫ですよ。ただ、気絶させただけですから」
「それより問題はあの虫たちをどうやって倒すかです」
「それじゃあ私とミイシャは右のほうにいる虫を中心に倒しますから、大輝さんは目の前にいる虫をお願いします」
「分かりました」
大輝達は二手に分かれた。
(すぱすぱすぱ!)
「そんなに強くはないとはいえ数が多いと厄介だな」
しばらく大輝が虫を切り続けていると虫たちが一斉に地面にある穴の中に入った。
そして大輝はその穴の中に入った。
大輝はその虫たちに囲まれた。
「誘い込まれた」
「スキル
大輝はスキルを発動させて周りにいる虫達を切っていった。
(すぱすぱすぱ!)
「ちっとも減ってる気がしないな」
大輝がそういうと虫たちは一箇所に集まり、人型に形を変えた。
「まとめてかかってくるのか、頑張って倒すしかないか!」
大輝がそういうと虫たちは殴りかかってきた。
大輝はそのパンチをギリギリで避けた。
噛まれないようにだけ気をつけて距離を取りながら戦わないとな。
大輝がそんなことを考えていると再び虫が殴りかかってきた。
大輝はその攻撃をよけて虫の右腕を切り落とした。
(すぱ!)
だが虫はその切り落とされた腕を再生した。
「え!こいつ再生能力が使えるのか」
「何とかして、相手の再生能力が追いつかないぐらい早く切るしかないか」
大輝はそう言いながら剣を構え直した。
「スキル
(すぱすぱすぱ!)
「うあああ!」
「ふーん、なんとか倒したな」
ほっと一息ついてそういった。
「そういえば!シヲンさん達どうなったんだろう、少し様子を見に行ってみるか」
大輝はその穴を出てシヲン達のところへ向かった。
「おーいシヲンさんどうなりましたか?」
「あ!大輝さん今こっちも片付け終わりました」
「それじゃあミイシャと合流しましょうか」
「はい」
大輝達はミイシャの元へ向かった。
「あ!大輝さんシヲン2人とも倒し終わったんですね」
「それじゃあ、村人達のところに戻りましょうか」
「ええ、そうですね大輝さん」
大輝達は村人の所に戻った。
「皆さん大丈夫ですか?」
大輝がそう、声をかけると、村人達はゆっくりと目を開け始めた。
「あれ、私達は今まで何を!」
「あなた達は今までモンスターに体を乗っ取られていたんですよ」
「えっ!私達がモンスターに乗っ取られていたんですか!」
「安心してください、俺達が倒しておきましたから」
どうやら病気にかかっていた時の記憶は全部消えているみたいだな。
「それじゃあなた方が私達を守ってくれたんですねありがとうございます」
村人たちは大輝達に頭を下げてそう言った。
「あなたたちを無事に助けられて良かったですよ」
大輝は笑顔で、村人達にそう言った。
「それじゃあ、少し狭いですが、私の家に来て今まで何があったのかを説明して頂けませんか!」
「いいですよ」
大輝達はそう言った。
「それじゃあ、私について来てください」
「はい」
大輝がそう言ってその男の人についていった。
「ここが私の家です、狭いですけど、どうぞ入ってください」
「お邪魔します」
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