第13話久しぶりの手料理

次の日。



「これからこの村に回復術師かいふくじゅつしの人が来てくれるみたいなんで俺達はそれと同時に村を出ますね」



「そうですか大輝さん達のおかげでこの村の人達は救われました。本当に本当にありがとうございました!!!」



村の人達は大輝達にそう言って深く頭を下げた。



「このご恩は必ずお返しします!」



「何がともあれ、皆さんが元気になって良かったですよ」



大輝達がそんな話をしていると、馬がこっちの方に向かってくる音が聞こえた。



「あ!回復術士の人達が来たみたいですよ大輝さん」



シヲンは大輝の肩をトントンと叩きながらそういった。



「あ!ほんとだ、それじゃあ俺達はこれで」



大輝達は村人たちに背中を向けて去っていく。



「さよなら、また来てくださいね」



村人たちはそう言いながら大輝達に向かって大きく手振った。



そして大輝達はギルドへと戻った。





「お帰りなさい大輝さんシヲンさんミイシャさん」



いつものように出迎えてくれたのは受付の人だった。



「はぁ、もう疲れたよ」



ミイシャは大きなため息をつきながら、そういった。



「とりあえず先にギルド長に報告だけ行ってきてもらっていいですか?」



「はい、分かりました」



大輝達は受付の人にそう言われてアデルの元へ向かった。



「失礼します」



「大輝さんありがとうございました色々と」



「大輝さん達には助けられっぱなしですね」



「いえ、気にしないでくださいアデルさん」



大輝達はそう言いながら椅子に座った。


「あ!大輝さん達にこれを」



アデルはそう言って大輝達に巾着きんちゃく袋を渡してきた。



「あのーアデルさんこれは?」



大輝は気になりそう聞いた。



「報酬ですよ」



「報酬なら、こないだももらいましたけど?」



「大輝さん達があんなに頑張ってくれたのに、あれだけじゃ申し訳ないと思って」



「その袋の中には金貨が1000枚ずつ入ってます」



「そんな申し訳ないですよ!」



「大輝さんの言うとおりですよ!いくらなんでもそんなにもらえません!」



シヲンは力強くそう言った。



「そうです、いくらなんでもこんな大金」



ミイシャもシヲンに続くようにそう言った。



「いいえ私は今回大輝さん達に任せっきりで何もできませんでしたから、せめてそのお金を受け取ってください!!!」



大輝達は少し考えたが、そのお金を受け取ることにした。



「分かりました。それではありがたく受け取っておきます」



大輝はそう言ってそのお金を受け取り、部屋を出た。



「それじゃあ、久しぶりに家に戻りましょうか」



「はい!」



シヲンは嬉しそうにそう返事をした。



「わーい久しぶりの家だ!」



ミイシャも嬉しそうにそう言った。



大輝達はギルドを出て家に向かった。



「家に帰ってきた」



ミイシャはほっとした表情でそう言った。



「たった1日しか家を空けてないはずなのに、なんだか久しぶりに家に帰ってきたみたいな感覚です」



「まぁ、色々ありましたからね」



シヲンもほっとした表情でそう言った。



「それじゃあ、中に入りましょうか」



大輝はそう言いながら家の扉を開けた。





「少し疲れましたし休憩しませんか?大輝さん」



「そうですねシヲンさん」



「ミイシャさんも一緒に椅子に座ってコーヒーでも飲みながらゆっくりしましょう」



「はーい!」



大輝達は椅子に座り一息ついた。




そういえばシヲンさん達のお母さんってあの村にいたのかなまぁどっちでもいいか。



「あ!今コーヒー入れますね」



「あ!すみませんシヲンさん」



「私のやつは砂糖いっぱい入れてね」



「はいはいわかってますよ」



「大輝さんはどっちにしますか?」



「俺も甘い方でお願いします」



「分かりました」



シヲンはそう言って慣れた手つきでコーヒーを入れていく。



「はい、どうぞ大輝さん」



「ありがとうございます」



そしてシヲンは再び椅子に座った。



「それにしても大変でしたよね」



シヲンが一息ついてそういった。



「そういえば、なんでアデルさんすぐに回復術師を雇うことを思いつかなかったんだろうね」



ミイシャは疑問に思いながら2人にそう聞いた。



「アデルさんもきっと忙しかったんですよ」



大輝がミイシャにそういった。



「そうだよミイシャ魔王の復活が近づいてるんだから尚更じゃない?」



「ちょっと俺疲れたんで向こうの部屋で寝ますね」



「はい、ゆっくり寝てくださいね」



シヲンは笑顔でそういった。



大輝は部屋に入って布団の上に横になり寝た。



1時間後。





大輝は目が覚めて、ゆっくりと体を起こした。



「あ!大輝さんすいません、起こしちゃいましたか?」



目の前に立っていたのは掃除道具を手に持ったシヲンとミイシャだった。



「いえいえ今ちょうど起きたんです」



「掃除してくれてたんですか?」



「はい今終わりました」



「すいませんやってもらっちゃって」



「それだけ疲れていたってことなんですから、気にしないでください」



「ああ大輝さん起きたんですか?」


「寝れましたか?」



「はい少しだけですけど、寝れました」



大輝はミイシャ方に顔を向けて、そういった。



「そろそろ夜ご飯作っちゃいますね」



「はい、お願いします」



大輝はそう言ってシヲンと一緒に座った。



ミイシャはエプロンをつけて料理をし始めた。



「シヲンさん今日はミイシャさんのお手伝いしないんですか?」



「ええまた、黒焦げにしちゃったら困るので」



「それに、今度は黒焦げだけじゃすまなくなるかもしれませんし」



シヲンは苦笑いしながら、そう言った。


「でも、意外でした」



「意外って何がですか?」



「俺のイメージだとシヲンさんも料理上手そうなイメージだったんですけどね」



「私は別に料理が下手なわけじゃ!」




シヲンは少し動揺した表

情でそう言った。



「隣に置いてあった砂糖と塩間違えたことはありますけど」



それは大問題なんじゃないか!



大輝は心の中でそう思いながらも表情に出さないようにした。



「でも、料理をしようと思ったことはあるんですね」



「ええ少し自分で料理を作ってみようと思ってちっちゃい時にやったら失敗しちゃって」



「そうだったんですか」



「ご飯できたよ」



ミイシャはそう言ってテーブルの上にご飯をおいた。



「今日は野菜たっぷりのサラダとパスタだよ」



「いつもですけど、美味しそうですね」



「そう言ってくれると嬉しいですそれじゃあ、食べましょうか」



「いただきます」



大輝達はそう言ってご飯を食べ始めた。



「そういえばシヲンがちっちゃかった時私と料理しててパスタ黒焦げにしたことあったよね」



「もうなんで今そんなことを思い出すのよ!」



「ごめんごめん、パスタ見てたらつい」



「シヲンさんてやっぱりちっちゃい頃から料理苦手だったんですね」



「やっぱりってなんですか大輝さんやっぱりって!」



「すいません、すいません」



大輝は少し笑いながらシヲンにそういった。



大輝はご飯を食べ終わって寝る準備をした。



「それでは、おやすみなさい」



ミイシャは頬杖ほおづえをつきながら大輝にそういった。



「おやすみなさいミイシャさん」



「さて、俺も寝ますね」



「はい、おやすみなさい、大輝さん」




面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。




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