第11話魔王の手下
「大輝さんまたアデルさんがお呼びですよ」
いつものように受付の人が大輝達にそう言ってきた。
「分かりました今行きます」
大輝達はアデルの元へ向かった。
「失礼します」
「よかったシヲンさん達も来てくれたんですね」
アデルはほっとした表情でそういった。
「私達に何か用ですか?」
シヲンは疑問に思いながらも椅子に座った。
「今回の依頼はシヲンさん達に関係があるんです」
「私達にですか?」
シヲン達は疑問に思いながらも、椅子に座った。
「2人ともカユ村を知ってますよね?」
「はい、私たちの故郷なので」
そう言っていた2人の表情はどこか険しい表情をしていた。
「今その村で魔王復活前に必ず発症する
「ちょっと待ってください、私たち、病気の事とか一切分かりませんよ!」
大輝達は慌てた声でそう言った。
「難しいことを頼んでいるのは十分わかっています!」
「ですが、それでも大輝さん達に頼むしかないんです」
大輝達はアデルの態度からただごとではないと思い大輝がこういった。
「分かりました。引き受けましょう」
「本当ですか大輝さんありがとうございます!」
アデルは大輝の手を強く握ってそういった。
そんなことより問題はシヲンさん達だな。
前にシヲンさんから聞いた話だと家から2人とも飛び出してきたみたいだからな。もしかしたらその村に気まずさを感じてるかもしれない!
「シヲンさん達はどうしますか?」
大輝がそういうと2人は無言で目をそらした。
「分かりました。その村には俺1人で行きます」
「いいえ私達も村に行きます!」
シヲン達は勢いよく立ち上がり大輝にそういった。
「私達2人の感情だけで救えるかもしれない人達を見捨るわけにはいきませんから!」
シヲンは力強く手を握り、そういった。
「ありがとうございます。それではこれがカユ村までの地図です」
「それでは、どうかお気をつけて」
大輝達はそう言われてカユ村に向かった。
「今村ってどうなってるんだろうね?」
ミイシャは気になりシヲンにそういった。
「それはわかんないよ。だってあれから1回も村にもどってないんだから」
「…そうだね」
大輝達は地図を見ながら、その村へと向かった。
大輝達が村に着くとそこにはたくさんの村の人達が病人を治療している光景が広がっていた。
1人の男の人は大輝達に駆け寄ってきて、こう言った。
「あなた方がギルドから来てくださった方ですか?」
「はい、そうです!」
「それはよかった、それでは早速村人たちの治療に当たってください!」
「分かりました」
大輝達はそう言ってすぐに村人たちの治療を始めた。
「大丈夫ですよ、すぐ良くなりますからね」
大輝は村人達にそう優しく声をかけながらヒールで治していった。
そんなに病気は重たくないと思うんだが、人数が多いとやっぱり大変だ。
そして5時間後。
「はぁはぁ後もうちょっとで全員治ると思います」
シヲンは息切れしながらそう言った。
「ええ、そうですシヲンさん後もうちょっとですから、頑張りましょう!」
「はい!」
そして更に3時間後。
「やっと終わった!!!」
ミイシャはそう言いながら少し体を伸ばした。
「本当にありがとうございますおかげで大助かりです!!!」
男は大輝達に頭を下げながらそう言った。
「いえいえ、俺達が役に立てたならよかったです」
「それより、いつからこの村で病気が流行り始めたんですか?」
「つい最近です」
そういえば!アデルさん、魔王の復活前になると必ずこの病気が流行るって聞いてたけど男の人に確認してみるか。
「この村で大体こういう病気が流行るのっていつぐらいですか?」
「いつとかはわからないんですけど、魔王復活前になると必ずこの病気が流行るんです」
「とりあえず私の家に行きましょう」
「ありがとうございます」
大輝達はそう言って家の中に入った。
「とりあえず座ってください」
大輝達は男の人にそう言われて椅子に座った。
「今回の病気ってどのぐらいの頻度で流行るんですか?」
「100年に1回です」
つまり、魔王が復活するのも100年に1回ってことか。
「そして、その病気が流行ると、その年に魔王が復活するんです」
「魔王の復活前になると病気が流行るのはこの村だけなんですか?」
「いえ魔王の復活が近づいてくると全部ではありませんが、だんだんと広がっていきます」
「あの急なお願いで申し訳ないんですが、しばらくこの村にいていただけますか?」
「はい、もちろんです」
「ありがとうございますええと…」
「青宮大輝です」
「私の名前はエザゼルシヲンです」
「ジェルドミイシャです」
「皆さんも手伝っていただいてありがとうございます」
「あとで大輝様達が泊まる部屋にご案内いたしますね」
「お願いします」
「それじゃあ、俺は少し村の見回りに行ってきますけどシヲンさん達はどうしますか?」
「私はここにいます」
「私もここにいます」
シヲンとミイシャは大輝にそういった。
「それじゃあ、夕方までには戻りますね」
大輝はそう言って家を出た。
「シヲンさん達には見回りに行ってくるって言っちゃったけど特に目的はないんだよな」
「とりあえず病気が治った人達の様子でも見に行ってくるか」
そして、大輝はしばらく歩いた。
すると目の前から誰かが大輝に近づいてきた。
「さっきは病気を治していただいてありがとうございました」
「無事に元気になられて良かったです。ただまた病気になるかもしれませんから、しばらく安静にしててください」
「はい、そうさせていただきます」
大輝が少しその方に顔向けると空に夕日が昇ってきていることがわかった。
「そろそろ家に戻るか」
大輝はそう言いながら家へと戻っていった。
「大輝さんお帰りなさい見回りはどうでしたか?」
ミイシャが大輝にそう聞いた。
「結局ただの散歩で終わっちゃいましたよ」
(ドンドンドン!)
その時、誰かが家の扉を強く叩いた。
「助けてくれ!!!」
男はそう言いながら勢いよくドアを開けた。
「このままじゃモンスターに殺される!!!」
「死んじまえ!!!」
男はいきなりそう言って大輝にナイフで攻撃をしてきた。
大輝はそのナイフを避けた。
ここで戦うのは危険だ、どうにかして場所を移動しないと!
大輝はそう思い、その男のナイフを持っている手を掴み、外に投げ飛ばした。
「お前は一体何者だ」
「俺が!」
男はそう言いながら体を、モンスターの体へと変えていった。
(ゴゴゴン!!!)
「俺は魔王カリブリス様の手下だ」
「そのカリブリスに言われて、俺の所に来たのか?」
「そんなの決まってるだろう、お前を倒してくれってカリブリス様に言われたから俺はここにいるんだよ」
「あっ、そうか」
大輝はそう言いながら逃げるように距離をとった。
もし本当に俺を倒すことが目的なら、追いかけてくるだろう。
「そんなんでおれから逃げたつもりか!」
よし、狙い通り追っかけてきた。
(すぱすぱすぱ!)
「なんだ今の!」
「俺は今、ただ普通に、お前を切っただけだぞ」
「そ、そんなバカなこの俺が1度も剣を振れずにやられるなんて」
モンスターはそう言いながら倒れた。
「ふー、とりあえずこの村の被害が出なくてよかった」
大輝は一息ついてそういった。
「面白かった!」
「続きが気になる、 読みたい!」
「今後どうなるの?」
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最後にブックマークもいただけると嬉しいです。
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