第5話メイド

「タイガーブラックにやられるなんて、お前は何を考えてるんだ!!!」



「しかもてめえら全員大怪我までしやがって!!!」



「でもベルフ団長!」



「うるさい俺に口答えするな!!!」



ベルフは仲間が大怪我を負っているにもかかわらず剣で仲間の腕を容赦なく切った。



「うあああ!!!」



仲間は剣で切られた痛みに耐えられず叫び声をあげながら地面を転げ回った。



「うるさい、黙れ!!!」



ベルフはそう言って地面を転げ回っている仲間の顔を容赦なく踏みつけた。



「やばい、俺達も殺される!!!」



他の仲間たちは怯えながら青ざめた表情でベルフから慌てて逃げた。



「ち!」



ベルフはパーティーメンバーが急に弱くなったことに腹を立てていた。



「相当お怒りのようですね」



男達が、そう言いながらベルフに近づいてきた。



「誰だ、お前ら!!!」



「俺達は闇ギルドの者です、ぜひあなたに仲間になっていただきたい!」



大輝達はアデルにクエストクリアの報告をするため、ギルドへ戻った。





「大輝さん!大丈夫でしたか?」



受付の人はそう言いながら大輝達に近づいてきた。



「シヲンさん達もご無事で何よりです」



「とりあえずアデルさんの所に行ってもらっていいですか?」



「はい、分かりました」



そして大輝達はアデルの元へ向かった。





「失礼します」



「大輝さん無事に戻ってこれたんですね」



アデルはほっとした表情でそう言った。




「それでクエストの方はどうでしたか?」



「無事にヘルタオルを討伐とうばつすることができました」



「よかった!」



「それでは、これが成功報酬の金貨1000枚になります」



「本当にもらえるんですか!」



シヲン達は驚いた表情でそう言った。



「ええ、もちろん」



アデルはそう言って机の上に三個の巾着袋きんちゃくぶくろを置いた。



「その中にちょうど金貨が1000枚ずつ入っています」



「もしかしたらまた大輝さん達に高難易度こうなんいどクエストを依頼いらいするかもしれませんが、その時はまたよろしくお願いします」



「僕がお役に立てることでしたら、いつでも、それでは、失礼します」



大輝達はアデルに頭を下げて部屋を出た。



「はぁ、緊張した」



2人はそう言いながらほっとした表情で胸をなで下ろした。



「さて、報酬もらったはいいけどどうしようかな?」



ミイシャは悩んだ顔でそう言った。



「今のところ何に使うか決めてないんだったら、とりあえず預けてくれば?」



「そうだねシヲン、1回預けることにするよ」



そして大輝達はギルドを出てお金を預けに行った。





「すいません、お金を預けたいんですけど?」



ミイシャがそう言った。



「はい、分かりました」




大輝達はお金を預けてほっとした。



「ねーねーせっかくだから町の中を見て回ろうよ」



ミイシャは目を輝かせながら、そう言った。



「まったくしょうがないわね」



「大輝さんはこのあと用事あったりします?」



「いやないです」



「わーいそれじゃあ、みんなでこの町を見て回れるね」



ミイシャは笑顔でそう言った。



「ねえねえ、見て見てあのお店に綺麗なオルゴールがいっぱい並んでるよ!」



「わかったわかったから少し落ち着きなさい」



シヲンはいつものようにミイシャを落ち着かせようとするが。



ミイシャは聞く耳を持たずはしゃいでいる。



「これが欲しいんですか?」



「はい」



「もしよかったら、俺が買いましょうか?」



「いいんですか?」



「はいもちろんです」



「こら!ミイシャ少しは遠慮しなさい!」



「買ってくれるって言ってるんだからいいじゃん」



「いいんですよ、俺がやりたくてやってるんですから」



「俺が買ってくるのでミイシャさん達はここで少し待っててください」



「ミイシャさんこの雪の絵がえがいてあるオルゴールでいいんですよね?」



「はい、お願いします」



「すいません、あの雪の絵が描いてあるオルゴールもらえますか?」



「銀貨1枚になります」



「お待たせしましたミイシャさんプレゼントです」



「ありがとうございます大輝さん」



ミイシャは満面まんめん の笑みで大輝にそう言った。



「喜んでくれてよかったです」




「シヲンさんは何か欲しいものはありますか?」



「いえ、私は大丈夫です」



大輝が少し空を見ると日が沈んできていることがわかった。



「そろそろ夜になりますけど、どうしますか」



「仕方ないですね、また宿やどに泊まるとしますか」



シヲンがそういうと2人は納得して泊まる宿を探した。





「あそこの宿とかよさそうじゃない?」



「とりあえず行ってみましょうか」



「そうですね大輝さん」



そして大輝達はその宿へ入った。



大輝はその宿のドアをゆっくりと開けた。



「いらっしゃいませ」



出迎えてくれたのはかなり年をとったおばあさんだった。



「3名様でよろしいでしょうか?」


「はい」



建て物は全体的に少し古びていた。



「それでは、お部屋にご案内いたします」



大輝はそのおばあさんについて行った。



「お客様方のお部屋はこちらになります」



大輝は周りが静かすぎることに疑問を感じ、おばあさんにこう言った。



「あのー、今俺達以外にお客さんて来てるんですか?」



「いいえいませんよ、私ももう歳なので1日に数名のお客様しか受け入れていません」



「そうなんですか」



大輝は納得した表情でそう言った。



「それでは、これがこの部屋の鍵になります」



そう言っておばあさんは大輝に部屋の鍵を手渡した。



「ありがとうございます」



大輝達はおばあさんに、そう言った後、部屋の中に入った。



部屋は少し狭いが3人で泊まるには十分な広さだ。



少し疲れたから横になろう。



大輝はそう思いながら横になった。



「やっぱりさぁ、みんなで住める家欲しいよね」



ミイシャは気の抜けた声でそう言った。



「そうね、毎回毎回こうやって宿に泊まってお金払ってたらもったいないしね」



「お金は全然足りるんだけど、問題はどこに建てるかなんだよ」



「そうだねお金は充分過ぎるほどあるし、家は多分買った方が安いんだと思うんだけど」



2人は暫く沈黙を続けた。



「大輝さんはどっちがいいと思いますか?」



「俺は少し広めの家に住めればいいかなーとは思ってますけど」



「それじゃあ、明日早速お店に行って相談してみるっていうのはどうですか?」



大輝が2人にそう言った。



「そうですね雨がいいと思います」



シヲンが納得した表情でそういった。



「そうですね、大樹さんお店の人の方がよく知ってそうですもんね」



「それじゃあそろそろ私達お風呂入ってきますね」



「ゆっくりしてきてください」





「さて、俺もお風呂に入ってくるとするかな」



大輝はそう言いながら立ち上がり、お風呂へと向かった。



「あぁぁぁぁ気持ちいい!」



大輝は体を伸ばしながらそう言った。



「たった数日の間にかなり疲れたな」



「まあ、環境が変われば無理もないか」



でも今はあのパーティーにいた時より全然 シヲンさん達といる方が楽しいからいいんだけど。



それに俺があのパーティーに今もいたらもちろんシヲンさん達と出会うこともなかったし、ギルドに入会することもなかったよな。



そういう意味ではシヲンさん達に感謝しなくちゃな。



しばらくして。





「よしそろそろ出るか」




そして、大輝は部屋へと戻って行った。



部屋に戻るとシヲン達がいた。



「あ!お風呂どうでしたか?」



よかったミイシャさん、ちゃんと服着てくれてる。



「ええ気持ちよかったですよ」



「失礼します」



そう言いながら、おばあさんが部屋の中に入ってきた。



「もしよろしければ気分を変えるためにメイド服なども用意よういしておりますが持ってまいりますか?」



「でも、私達メイド服なんて着たこともないしなによりメイド服をどうやって着たらいいのかわからないので、いいです」



シヲンは少し残念そうな表情でそう言った。



「もしよろしければ、私にお着替えのお手伝いをさせて頂けませんか? 」



「そんな悪いですよ」



「来てみればいいじゃんシヲン私もメイド服着てみたいし」



「それじゃあ、お願いします」



「かしこまりました」



「それじゃあ、俺は外に出て待ってますね」



そして数分後。





「着替え終わりましたよ」




おばあさんがそう言った後大輝は部屋の中に入った。



シヲンとミイシャは膝をついて大輝にこう言った。



「似合ってますか?御主人様!」



2人はとても恥ずかしそうな表情で大輝にそう言った。



「かわいい!」



気がつけば大輝はその言葉を2人に発していた。


大輝からのその言葉に照れたのか2人の顔は一気に赤くなった。



「えー、お2人ともとてもお似合いですよ」



おばあさんも大輝に続くように、そう言った。



しばらくして大輝達はご飯を食べてベッドに入って眠りについた。




面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。


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