第8話:冷静にババ抜き系乙女ゲームジョカ横の設定を思い出す
今んところ嵐の前の静けさ?かしら。
この頃、ジェイとはお母様と一緒に週一でダンスの練習をしながら、そして時々愛のカウンターパンチをくらわせながら❤︎徐々に仲良くなり始めている。
あのちょっと生意気な口数も少しは減ってきたかしら?
(→警告:10歳誕生日の計画を進めましょう。)
うん?10歳の誕生日って何かあったっけ?
(→解説:ジョカ横の三大恒例行事、“ジャッジメント”の一つが10歳の誕生日パーティーのエスコート相手の選択です。どの攻略対象にするのか算段はありますか?)
私はその解説を聞いて、たらりと冷や汗を流した。
そうだった!!!なんでそんな大事なことを忘れていたんだろう…!
このゲーム、The Joker is next to you略してジョカ横は、乙女系ババ抜きゲーム。
数ある選択肢を選択したのち、恒例行事となるジャッジメントで攻略対象を選択する。その選択肢した攻略対象がジョーカーだった時点で一発K O、即退場。全部で三回戦マッチ。三回ともジョーカーを引かなければ、はれてその攻略対象とハッピーエンドというもの。その重要なジャッジメントが迫っているというのだ…!
(→注意:ジャッジするのはヒロインです。しかし、あなたは悪役令嬢。ヒロインの選択肢を変更させることはできてもあなたに選択権はありません。)
ぷぅ〜!!
冷たいこと言ってくれるなよ、相棒!!
悪役令嬢だって女の子なんです!誰と会場に行くか、誰とダンスするのか…少しばかり夢を見させてください!私だって選びたい!!
(→忠告:悪役令嬢はあなたの考えているほど甘くはありません。あなたは悪役令嬢と誤解されないように、ヒロインを良い方向へと導く役目を果たされるべきでは?)
うん?
ちょっと待って、ヒロインをいい方向に導くって、つまりジョーカーを引かないように誘導するってことだよね?でも、ヒロインをサクセスさせるために悪役令嬢がいるんだから、導けば導くほど私が悪役になってしまうのでは…??
(→訂正:悪役と思われない方向で、ヒロインのジョーカー選択肢を阻止しましょう。)
A Iって…案外優しいんだね。
まだ見たことも話したこともないヒロインさんを、自分を危険に晒しながらも守ってあげたいんだもんね…。
(→・・・)
わかったぜ!
二人でアティス!!
なるべくヒロインにはno touch を決め込むという鉄則を踏んでみたかったがこの際、構わない!
(→ありがとう)
ところで、それにはヒロインさんにお近づきになる必要があるよね?そうでないとどの人が気になっているかわからないし…。
ヒロインさんの設定って
[情報ファイル]
名前:クシュナ
年齢:9歳(アティスと同年齢)
ルックス:桜色の髪にエメラルドの瞳
ステイタス:努力系ヒロイン
好きなもの:格言=努力は人を裏切らない
嫌いなもの:悪役令嬢
・
・
よぉ、A Iの相棒…
なんか、見た目はドストライクヒロインなのに、他が…なんというか、体育会系の方ですか…?
それに、嫌いなもの悪役令嬢って、私たちの敵ではないですかいっっ??
(→否定:敵ではない、むしろ同志では…?)
どういうこと?
(→解答:彼女はあなたと同じ転生者だからです。)
えぇ???
だってファイルに書いてないじゃない。
(→解答:彼女は転生者の魂しか入っていません。ですから表向きクシュナの魂はクシュナ、ただ一人です。)
ややこしい…。でも、わかったわ。さらにヒロインさんにお近づきしたい気になりました。それならヒロインさんとお会いしなければ…。
(→提案:そろそろ子供達のお茶会があるはずです。それに参加してみては?私は煩わしかったため一度も参加していませんが、例に漏れなければ今回も招待状が届くでしょう。)
(←忠告:そんな楽しげなイベントあるなら早く教えて欲しかったです!!華やかルンルンパーティー!!知ってたら毎回参加してましたよ…絶対)
(→謝罪:以降譲歩します。)
そんなわけで、ヒロインに会うために私はお茶会に参加することにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます