第2話

僕がリビングに行ったら全員が驚いて口を開けたまま僕を見てる。少し面白い。

それよりもなんと美男美女の家族なのだろう。そしてどうして僕だけこんなにボサボサなのだろう?と考えていたらキッチンから覗かせた女性が


「お、おはよう。秋」

と伺うように挨拶をしてきた。 秋?……あ、僕の名前か!僕の名前は秋(しゅう)って言うんだ。


「おはようございます。えっとーお母さん?」

おそらくは僕の母親だろうと思ったのだが当の母親?はよくわからないっといった工合な顔をしていた。

「え、なんで敬語?あと、お母さん?ってなんで疑問系なの?」

なるほど!そっか。僕は記憶喪失だからこの人たちを覚えていないがお母さんにとっては毎日顔を合わせている人に急にだれ?みたいなことを言われたらそりゃ驚くだろう。他のみんなが驚いているのはよくわからないが。

とにかく今は僕の状態をおしえなきゃ。


「あ、申し訳ありませんでした。実は僕、朝起きたら記憶喪失になっていたみたいで自分の事はおろか皆さんの事も覚えていないので、それでさっきは疑問系で返してしまいました。なのでできれば今日このあと病院に連れてっていただけたらありがたいのですが。よろしいでしょうか?」


うん。丁寧に低姿勢で言えた。これなら印象も悪くはないだろう。それよりもなかなか反応が来ないなーどうしたんだろう?ま、驚くか。


「「「「えーーーーーーーーー」」」」

いきなりの大声で正直うるさい。みんな一様にあわあわしている。すると朝の機嫌の悪い女の子が


「う、嘘でしょ?急に部屋から出てきたと思ったら訳わかんない冗談いわないでくれる!?」

急に部屋からでてきた?どういう事?ま、それよりも。


「いや、嘘はついてないですよ?現に僕は自分の名前はさっきそちらのお母さん?に呼んでもらってわかりましたし、あとあなたの名前も知りません。なんとなく兄妹なのかなとはおもいますがどっちがどっちなどもわかりません。すいません。」

女の子は目をぱちくりさせるだけでそのまま黙り込んでしまった。

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