第34話
小夏に話した計画はこうだ。まず小夏にお母さんとお父さんに秋ちゃんと連絡が取れないこと鈴音とも連絡が取れず心配だから警察に言おうと言ってもらう。その間私は有馬家のパソコンにバレずに侵入して情報を奪う。
これは私のちょっとした特技。昔からパソコンをイジるのは好きだったんだけどハッキングをしようと思ったのは秋ちゃんのパソコンに厳重に保管されてるエッチな動画やら色々を見たくて技術を覚えた。恋する乙女の底力だね。
とりあえず家に帰りに作戦を執行した。お母さんは私にはもちろんだがやはり双子にはすこぶる甘い。あとからの子供だがそれを含めても特にあの二人には甘い。だからすぐにでも行動を起こしてくれた。その間に私はハッキングして調べた。
するともう宝の山だった。私の踏んだ通り今秋ちゃんはあのマンションの地下で監禁されてるみたいだ。プラスやっぱり違法なルートで媚薬も購入してるとあとなになに、父親も今回の監禁に関わってるから誘拐だね。犯罪だ。あとはこの仕入れた情報をそのまま警察に見せるわけには行かない。私もハッキングという違法な手段でやってるから。
ならどうする?簡単だ。まず有馬家のファックスにこの犯罪の証拠のデータを送るとともに警察にも有馬家のパソコンから直接データを送るように細工する。あとは足がつかないように私のパソコンは水につけて壊す。あとは警察がデータとお母さんたちの証言をもとに捜査をするはずだ。
なんせマスコミにもこのデータを送ったから。今日本で5本の指入る大企業のビッグスクープだから。あ〜あなんてことはなかったな〜。でも有馬家は潰せても鈴音は許せない。だから小夏にはもう一つ指示を出してる。それは明日になってからだね。もう少しだよ、待っててね秋ちゃん。
秋くんを監禁してからの私は幸せだった。秋くん昔から周りに綺麗な女のコやかわいいこがいっぱいで嫉妬でどうにかなりそうだった。だから引っ越す時は苦しくて苦しくて仕方がなかった。その後戻ってきたとき記憶喪失だと聞いたときの絶望はすごかった。だって小さい頃は確実に秋くんは私のことが好きだったから。
二人の姉妹よりも私に構ってくれて後ろで苦虫を噛んでる二人を見るのが楽しくて愉悦だった。でもそんな秋くんが記憶喪失?私のことは?もう好きじゃないの?そんなの絶対に許せない!
そこからはなんとかして秋くんを私だけのものにしようとしたがやはり邪魔な二人。ならと私は父にこの今回の話を持ちかけた。最初嫌そうな顔をしたが父は私には逆らえない。なぜならここまで会社を大きくしたのは私のおかげだから。プラス昔横領をしていたのも話したら従順になった。
もう誰にも渡さない。誰かに取られるくらいならいっそのこと秋くんを殺して私も一緒に死んでやる。そしたら永遠に一緒に入られるもんね!
そんな風に考えながら私は父と一緒に監禁してる地下に行こうとしたとき、父が急に「な、なんだと!!」と目障りな声で発するので父を睨みつけると
「……鈴音、私達は終わりだ。」と絶望を通り越して顔を真っ白にして私にいった。
私は理解できずに父のスマホを奪い通話相手と話した。すると内容は私達が一人の男子高校生を誘拐し、さらに媚薬でむりやり犯したことや父が横領をしたことなどがマスコミにリークされ今有馬家には警察が捜査に入ってるという。
何が起きてるの?するとすぐ近くでパトカーのサイレンが聞こえた。まずいまずい!このままだと秋くんと離れ離れになってその後あの二人と仲良くするんだ。許せない。私は急いで部屋に戻り包丁を持って地下に急ぐ。
でも一歩遅くエレベーターから数人の警察官が現れ一瞬にして私と父を取り押さえた。運の悪いことに私の右手には包丁があったのでもはや言い逃れはできなかった。
どうして?なんでバレた?どれだけ頭を回転してもわからなかったがなぜかやけにあの二人の笑顔がちらつく。何をあの二人はした?すると答え合わせのようにエレベーターから一人の女が降りてきた。そいつは目に涙を浮かべて私以外の誰にも気づかれないように少し口角を上げたあと
「こ、この子です!私の大事な人を監禁して無理やり変な薬で犯したのはこの子です!!!」
と若干ヒステリックな芝居でそう捲し立てた。それを聞いた警察官はそのヒステリック芝居野郎小夏の背中を撫で、「辛かったね。よく教えてくれたね。後は私達にまかせて」といって慰めてた。
だが私はみた。口角を上げ片目を手で涙を拭う振りをしながらもう一つの片目で私を見下し勝ち誇った顔をしていた。わたしは
「ふ、ふざけるなーーーー!!!秋くんは秋は私のものだ!!!殺してやる!お前は絶対に殺してやる!!!」
でも私の手は小夏には届かず空を切った。
私はもう二度と秋くんに会えないと悟ると何故か今までの努力が泡となって決めていくのを感じ少し微笑んだあと力を緩めた警察官の空きを見て持ってる包丁で自分の喉を切り裂いた。
死ぬ間際この女にはこんなことができるはずがないと冷静に見れた。ああ、そうか。結局の所私もこの女もあいつの手のひらだったんだ。ゴメンね秋くん。あなたを幸せにしたかっただけなんだ。小さい頃の約束を叶えたかっただけなんだ。
私は目の前にいない大好きな人へ謝罪と愛情を残してそっと目を閉じた。
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