第28話
小夏と別れて別々に教室に戻る途中で鈴音からlineが届いた。中をみると
<今日マンションにきてくれないかな?>
何か用事でもあるんだろうか?ま、でも僕としてもちょうどいいので
<わかった。学校終わったらいく>
するとすぐに返事があり、そのままスマホをポケットにしまった。
放課後になり小夏から放課後科学準備室に来れない?とlineがあったがこれから鈴音と話をしにいってくると返信するとすぐに、わかったときたので内容を察したのだろう。
僕は足早に学校を出た。一応冬華にも連絡しておこう。
<いまから鈴音の家に言ってくるね。>
するとすぐに返信が
<わかったよー!一応何かのために録音おねがいねー>
僕はわかったと返信してから鈴音の家に向かった。
相変わらずでかいマンションに驚きながら鈴音の部屋番号を打ち込みエレベーターで上がっていく。なんの用事かわからないが僕も覚悟を決めて話をしよう。
チャイムを鳴らして少ししたあと鈴音が出てきて
「ごめんね?急に呼び出して。じゃあ上がって!」
なんだかテンションが高いな。今日は家族の用事で学校を休んでる、何か良いことでもあったんだろうか。すると鈴音が
「今日呼んだのはね?秋くんには一週間だけって言われたけど、どうしてもまた一緒に住みたくてお父さんに相談しにいったの!そしたらねまだこのマンション解約しないから好きに使ってくれって!」
相変わらず自分勝手な女だ。ただの幼馴染で小さい頃に許嫁の約束をしたみたいだけどそれにしても程がある。ま、今回はこれを利用しない手はない。
「そうなんだ。実は俺からも鈴音に話したいことがあるんだ。」
鈴音は最初、俺?と普段聞き慣れない僕の言い方に疑問をおもったようだがそれよりも僕の話が気になるようで
「なになに?秋くんの話って!」
随分と前のめりになってくれたので
「……実は俺も鈴音ともう少し一緒に居たかったんだ。だからさっきの鈴音の申し出凄く嬉しかったんだ」
僕が少し照れくさい芝居をしたら鈴音は驚いた表情だったがすぐに破顔し、
「う、うそー!めちゃくちゃうれしいよーー!!ようやく秋くんが私の気持ちに答えてくれるってことでいいのかな?」
嬉しそうにする鈴音に対して僕は頷いてから
「うん。最初は急に許嫁とか言われて困惑したけどあの一週間の生活は素直に楽しかったし生活の中でどんどん鈴音に対しての気持ちが大きくなってた。」
鈴音は僕の話にデレデレしながら聞いており
「気づくと俺は鈴音ともっと一緒に居たいと思うようになってたんだ。だから今日はまた一緒暮らしたいってのともう一つ。」
ここで区切り少し息をはく。続きが気になるのか鈴音が、もう一つ?なになに?と聞いてくるので僕はスイッチをいれてから
「………鈴音と許嫁として結婚を前提に付き合いたい。俺の彼女になってほしい!」
するともう辛抱タマランかったのか鈴音が僕の胸に抱きつき
「うれしいよ〜やっとやっと!思いが通じた!もう一生離さない!」
と力強く抱きしめてきたので僕も同じくらいの力で抱きしめたあと、まだ言うことが残ってるのでちゃんと聞いてもらうため鈴音の顔をあげさせてから
「俺も嬉しいよ………でも鈴音に一つ言わないといけないことがあるんだ。」
それから僕は小夏に脅されて今でも肉体関係にあり、それをバラされたら家族が崩壊することとそのため小夏とはこれからも肉体関係をしないといけないことを伝えた。すると珍しく怒った顔をした鈴音が
「ゆるせない!小夏!私達の邪魔をするやつは誰であろうと消してやる!」
ふふっ。それでいい。小夏を消すのは鈴音にさせるのが一番だ。だから僕は優しく鈴音の頭を撫でながら
「だから俺たちが幸せになるために小夏が邪魔なんだ。俺は直接手を出せない。だから鈴音。俺たちの幸せのために小夏を消すのを手伝ってほしい。」
「当たり前だよ!小夏の事は私に任せて!絶対に好きにはさせないから!」
やる気になるのはいいが少しだけ調整が必要だな。
「ありがと。でも小夏もどんな手を使ってくるかわからないから慎重にやっていこう。これも二人のためだから。な?」
鈴音は僕の胸に頬を擦り寄せ、わかった。二人のためだもんね。と言って抱きつく。僕はそれを優しく受け入れ抱きしめる。
これで二人と秘密の恋人関係が始まった。僕としては早く終わらせて冬華とイチャイチャしたい。でも今はお預けだ。あ〜早く冬華と抱き合いたいなどと考えながら僕は鈴音をそっと抱きしめる力を強め、一人で冬華の事をおもいながら小さく微笑んだ。
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