第4話
まさかの臨時収入を得て気分よく僕は予約した美容室に入った。出迎えてくれたお姉さんに案内されてどのようにするか聞かれたので
「僕の顔に似合うようにお願いします。生まれ変わりたいのでもう好きにいじっちゃってください」
するとお姉さんは微笑んでから僕の前髪を上げて顔を見た。すぐに目を見開いてから、任せてください!と気合が入った様子で施術を始めた。
施術から2時間半後…………
目の前には全くの別人が座っていた。何故こんな見た目をしているのに僕はボサボサ髪だったのか謎だ。ま、そんなことはどうでもいい。今は前髪もスッキリして顔がよく見え軽くパーマが当たり全体的にはマッシュスタイルで見栄えは良くなった。
お姉さんも他の美容師さんたちもこちらに顔を向けびっくりしていた。若干顔を赤らめた人もいたがそれはいい。満足した僕は支払いを済ませ店を出た。店を出る前にまた来てくださいと名刺を渡された。ちゃっかり名刺の裏にlineのIDが書いてあったのはスルーだ。
さてと髪は決まったが服がない。幸い美容室は駅前だったので近くにショッピングモールがあり、そこで服を買ってついでにご飯もそこで済ませるか。そう思い歩き出したのだがさっきからやたらと視線を感じる。髪型を帰るだけでこれなんだ。
もしかしたら前の僕はこの視線が嫌で前髪をのばしていたのかもしれないな。とおもいながら服屋につき僕はファッションセンスがよくわからないので店員さんにおまかせで色々見繕ってもらった。
最後に店員さんに名刺ともれなくIDを渡されたのもこれまたスルーだ。フードコートでラーメンを食べ、時間も時間だし帰ろうとしたら前から家にいた機嫌の悪かった女性が何人か友達だろう人と一緒に来ていた。
女性は僕と目が合うとえ、嘘と言った表情をしていたが僕としては別に話すほどの事もないのでスルーして帰ろうとしたら一緒にいた友達がこっちに指差して
「ねぇーあの人ちょーかっこよくない?やばいよね?」
するとそれに同調した違う友達も
「うんうん!やばい。あんなのうちの学校にいたら良かったのにねー」
と盛り上がる女性たち。その様子を微妙な表情で見ていた家族?の女性に他の友達が声かけに行こうよ!と言ってそれをやめとこ?と家族女性が言ったのだが聞かず友達二人がこっちにやってきた。
「あのー今一人なんですか〜よかったら一緒にお茶でもどうですか?私おごりますよ!」
と元気で明るい茶髪の女性が言うと遅れてから何か気付いた様子の女性が
「えっ?その制服!うちの学校のですよね?嘘!私達同じ高校なんですねー!お名前聞いてもいいですか?」
と腰まである黒髪にスタイルがいい女性が聞いてきた。
一人取り残されたあの人はよくわからない表情でただ僕を見てるだけだった。
「同じ高校なのですね?僕の名前は秋といいます。明日から学校にいくのでもしあったらよろしくお願いします。あと、この後なのですが少し用事があるのでまたの機会にお願いします。」
と努めて笑顔で返し、では。と行ってその場をあとにした。終始あの人は僕を見ていたがさいごまで僕には話しかけてこなかった。家とのギャップに外では猫をかぶるタイプなのかと苦手な人だなとおもいながら最後の買い物だけ済まし家に帰った。
家に帰ると母はもちろん姉?も家にいて僕の変化に驚いていた。特に母は僕が耳にピアスを開けてるのが衝撃だったみたい。生まれ変わり成功だな。
あとはなんで家族がこんなに僕に対してよそよそしいのか何故あの人はあたりがきついのか何故姉?は泣いていたのかその辺を今日の夜にでも聞こう。
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