世界一嫌いで好きな人

須川  庚

プロローグ

 わたしがとても嫌いな同級生がいる。

「うるさいんだけど、黙ってくれない?」

 彼がそう言うと、教室が凍りついてしまいそうになる。

 その子は隣の席にいて、あまり教室にいることが少ない人物。

 言動もきつめであるからか、クラスメイトからも遠巻きに見るようになっていた。

 彼の名前は上遠野かとうの佑李ゆうり

 明るい茶髪に不思議な色をした瞳をしていて、嫌いなはずなのに不思議と彼のことが気になっていた。

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