かなしきに狂い咲いて舞い散る
結局の所、私は自分の持つ「箱の中のカブトムシ」にしか興味を示さ無かっただけだったのだ。
――痛みの共有の可・不可を説く
痛みも、喜びも悲しみも、怒りも楽しさも、
絶対的な尺度では有り得無い。
だから、みぃちゃんの言う『おにいちゃん』と、私の思う『みぃちゃんの言うおにいちゃん』に違いがあっても、何も、何も、
――だから、そういう事だった。
みぃちゃんにとっては、もう
僕という兄としての
――だから、こうして、
血に
自ら傷ついて
私の持つ
私を満たす
喉の渇きは、感じ無い。
「……」
私の沈黙を
みぃちゃんは少し照れ臭そうにして、ふいと視線を
「……まあ、言いたいことは言ったし、夜も遅いから、私、寝るね」
「とまあ、邪魔してごめんね、おにいちゃん」
満ち足りてしまう今、何も言わずとも、何か言おうとも、私の
「みぃちゃん」
――彼女に
「ごめんね」
私は、
彼女が振り返るよりも先に、力が抜けて視界が暗転する。
――しゃりん
そう、糸を断ち切る女神の
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