2
だが、そもそも、だ。
「おにいちゃんがイケメンなのが悪い」
「はあ……」
おにいちゃんは困惑した表情でこちらを見上げている。
「おにいちゃん、暗示でどうこうしてるって言うなら、もうちょっとブサイクだと思わせればいいのに」
「何言ってるんだい、みぃちゃん。そのコストとリターンを考えたら、リターンの方が
メタリックピンクのビニタイをねじねじとほどきながら、おにいちゃんはそう言った。
「色の白いは
「そっかあ、おにいちゃんは七よりも多く難があるのかあ」
「……みぃちゃんも言うようになったねえ」
おそらくは百均のものだろう可愛い
本性を現してからのおにいちゃんの話に付き合ってれば、
「この兄にしてこの妹ありってやつよ」
「わあ、全然否定できないぞ」
一応、本人にも自覚はあったらしかった。
おにいちゃんは取り出したクッキーを口に
「うーん、おかしいなあ。みぃちゃんをそんなにする気はなかったんだけど」
「光源氏にしろ、ハンバート教授にしろ、そんな気があっても困るよ」
そもそも、その時点で、私はおにいちゃんがどうして私達家族の中に
ただの、おにいちゃんの正体を知っているだけの共犯者でしかなかった。
「おにいちゃん」
「ん?」
二つ目のクッキーを口に入れてごりごりと
音からして、焼きすぎたクッキーらしかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます