回想 3 行く末と目的
1
結局のところ、私はおにいちゃんに
だから、正体を知っても、それから時間を置いても、私はおにいちゃんにいつも通りに接していて、おにいちゃんの本心はどうあれ、おにいちゃんもおにいちゃんでいつも通りだった。
「ただいま」
「おかえり、みぃちゃん」
それは私が中学生になっても変わらなかった。
リビングのソファで本を読んでいたおにいちゃんは、帰ってきた私が
「どうしたの、その袋」
「……おにいちゃん、今日がなんの日か知ってるかね?」
「……聖人ウァレンティヌスの命日とされるルペルカーリア祭だねえ」
バレンタインとわかっているのにあえて回りくどい言い方をしたおにいちゃんの
「……みぃちゃん?」
「全部おにいちゃん
「……わあ」
私におにいちゃんがいるというのは同級生にもその前後の年代にも、それなりに知られていることではあった。
ただ、中学に上がって、他の小学校から来た人間というものが周りに増えて、そして幸か不幸か、そういった新しく
何をどうして、どこからどう情報が
私は決してスクールカーストの上でも下でもない立ち位置だったから、おにいちゃんに渡してと頼まれたものを
むしろ、その程度で平穏が保証されるなら
……さすがに、この量にはちょっと
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