7
「……みぃちゃんは、なんにも悪くない」
おにいちゃんはいつもそうだ。
おにいちゃんは、自分は罪人などではない、と言ったけれど、なんでかそうやって自分一人が悪いように言う。
共犯者としては少し悲しかった。
「……ほんとに、そうかなあ」
だから、私がそう言うと、おにいちゃんは
「みぃちゃん?」
「……ほんとのほんとに最初から言うならさあ、たぶん私が気づいちゃったから、だよね。おにいちゃん」
私が気づかなければ、おにいちゃんはとっくのとうに
だが、本当にそうだったのかは、いくら私が振り返って考えても、わかるはずもない。
「それは……」
「だからさ」
私が気づいたのだから、私は。
――共犯者なのだから、私だって。
「私は、その分の責任ぐらい、
きょとんとおにいちゃんは私を見ていた。
そして、何か言おうとして、何度か口を開けたり閉じたりを繰り返してから、
「みぃちゃん、何を、言ってるんだい」
「というか、ずーっとしてきてるし、おにいちゃんもわかってるもんだと思ってはいたんだけどな。
だって、おにいちゃん、ずっとここにいるし」
私が気づいてしまったことで、おにいちゃんが人でないと気づいてしまったことで、おにいちゃんがいなくなるぐらいなら。
「おにいちゃんはおにいちゃんじゃん。
たとえ何をしてたとしても、私にとってはおにいちゃんだよ」
――そう思うことにしたのだ。
人を害する化け物だったとしても、私にとっておにいちゃんは、
居心地のいい場所を守ろうとするのは、当然のことだ。
おにいちゃんは、ぽかんと口を開けて私を見ていた。
そのまま、どれだけ沈黙していたのだろう。
すっかり毒気の抜けたおにいちゃんの様子を見て、これでよしと思うと同時に、なんだかこっ恥ずかしくなって、今度は私がおにいちゃんから目を
「……まあ、言いたいことは言ったし、夜も遅いから、私、寝るね」
そう言って
「ごめんね」
どこか晴れやかなおにいちゃんのその声に、私は振り返って。
振り返ってしまって。
「おにいちゃん?」
振り返った視界の中。
少し離れた街灯の
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