メモ 2

『生き血を求めるのは何故だろう。

 含有成分、温度、色、質感、味、匂い。

 いくら違いをうずめても、満足は出来無い。


 死者の血では満足出来無い。

 見目が似ているだけでは満足出来無い。

 成分が似ているだけでは満足出来無い。

 生き血でなければ、満足出来無い。


 血のにおいは甘美だが、鉄錆てつさびにおいはただ鉄錆てつさびにおいでしか無い。

 ならば、決定的な違いはなんだ。

 生きた人間から得られる。れだけか。

 れでは、れでは血である意味はなんだ。

 何故、血でなければならない。


 んな物寝込みを襲うか、交渉と暗示で如何どうにかするしか無い。

 れが重要だとでも言うのか。わから無い。


 私はれを求めているはずでは無い。

 れを渇望しているはずでは無い。

 れでも、かつえてこごえて、望まずにいられ無い。

 ならば、れは何かの代替だいたいでは無いのか。

 代替だいたいとして求めるが故にこそ、我らはいく臓腑ぞうふうるおそうと満たされ無いのではないか。


 寒い。喉がかわいた。

 わから無い。ままなら無い。』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る