19Dead『コンビニ』

6人はクリーチャーを倒したが




「ああ……しんどい……疲れた。」




と望は気だるげに言った。


それを聞いて和子も




「ああ、確かにバスの中で休めると思ったら追い出されるし、外にはゾンビがいて襲われるし、希咲君はトチ狂ってるしで本当に大変だったね!」




と同意しながら言った。




「ちょっと待って、俺が疲れた原因に入ってたんだけど?」


「当たり前じゃん」


「……」




望はそれ以上何も言えなかった。


そして、乾いたのでさっき買ったスポーツドリンクを取り出して飲んだ。




「ふいいいい」


「私も欲しい」


「ほい」


「私も欲しい」


「あたしも」




そう言って和子、剣子、アンジェリスとスポーツドリンクを渡した。


そして




「私ももらえるかしら?」


「俺も欲しいな」




と言ってレベッカとアレックスも言ったが、




「え? もう無いけど?」


「「ええ!!」」




2人は驚いて車を止めて聞いた。




「ちょっちょっと!! 人数分買わなかったの!!」


「そうだぞ!! もうちょっと気を遣わせろよ!」




と文句を言ったが




「え? 買ったけど?」




とキョトンとして言った。


アレックスは




「だったらどうして俺らの分がないんだ!!」




と怒ったが和子が




「いや、さっき逃げる際に希咲君が2本落としてたの覚えてないの?」




と言った。


それを聞いて




「!!」


「そっそういえば……」




と言って2人は真っ青になった。




「糞う……逃げるのに夢中で気にかけてなかった」


「まあレベッカさんは別にそんなとどうでもいいって言ってなかったから俺の少し飲んでいいよ」




と言った。


それを聞いてレベッカは




「ありがとう」




と言って望のスポーツ飲料水を少し飲んだ。


するとアレックスは




「お! 俺は!!」




と言ったが




「え? だって拾うって言ったらそんなのどうでもいいって……それにオッサンと間接キスとか嫌だし……」




と望の言われてしまった。


それを聞いたレベッカは




「残念ね、アレックス、希咲君ありがとう」


「うい」




そう言って望に返した。


アレックスは




「糞う、糞う、俺が運転してるんだぞ……」




と涙目になっていた。


そして再び運転を再開した。


望は




「ふむ、外国美人さんの涎付きスポーツ飲料水か……なかなかそそるな」




と望は何かキモイことを言っていた。


レベッカは




「私こう見えても34よ?」




と言ったが




「いや別に大丈夫だろ、35歳の人と結婚してる人もいるからそこまで問題ではない」




と言っていた。


それを聞いたアレックスは




「おいおい、年齢を増して言ってもこいつには通用しないようだぞ……」


「そうね、10歳上げて言って引かせてそういう感情を消そうと思ってもこの子には効かないわね……」




と残念そうに言った。


和子は




「ちょっと、希咲君、キモイこと言わないでよ、レベッカさんドン引きしてるじゃない」




と注意した。


それを聞いて




「まあ別に変態行為をしたいんじゃない、ただただ思春期真っ只中なだけの学生の戯言程度に聞き流してほしい」




と言って普通にスポーツ飲料水を飲んだ。




「はあ、こんなに疲れ……ねえ? 俊敏性犬の分は?」




とアンジェリスは気づいて聞いた。


それを聞いた望は




「え? いるか? だってこいつゾンビ犬だぞ? 飲み物とかいるのか?」


「分からないでしょ!! 一度飲ませてみてもいいんじゃないの!! もし飲まないなら私たちが飲めばいいんだから!!」




と怒った。


それを聞いて




「分かったよ、あそこのコンビニで買ってくるから……ついでにアレックスさんの分も」


「……俺が……ついで……」




とアレックスはしょんぼりとしながら車を停止した。




「じゃ、行ってきます」


「「「「「行ってらっしゃい」」」」」




そして、俊敏性犬と一緒に望はコンビニに入った。


すると




「しゃーしゃーせー」




と店員の言う挨拶がした。


それを聞いて望は店員を見ていた。




「スカアア?」


「いや、日本語でOKだからね?」


「スカー」


「……」




そうして望は店の飲み物コーナーと念のためお弁当コーナーも見た。


すると




「キャークサーン」


「??」




望は何か言われたので耳を傾けると




「ペーソーニヤッテクレースカネー」




と聞いて望は店員をよく見た。


どこからどう見ても日本人だ。


望は




「てめーは、真面の日本語をしゃべったことないのか?」


「すかー?」


「もういいです」




望はニュアンス的におそらくペットを外にやれと言う意味だと受け取り俊敏性犬を外で待たせた。


ゾンビはコンビニにいる様子もないので特に問題ないのだろう。


そして、望にとってゾンビがいたとしてもゾンビになりたいのでそういう意味でも問題はなかった。


そして




「これください」


「2340円スー」


「はい」




財布のお金を出して払った。


もはや節約する必要性もなかった。


そんなため望は一番くじも籠の中に入れていた。




「こー箱からとってーくーさい」


「はい」




そして、一番くじは魔法少女レイミちゃんのSSRのバニー版が当たった。


それを見て望は




「幸先がいいな」


「スカー」




そして、望はそれを袋に入れてもらい




「シャーシャーシャー」




と言われて、外に出た。




「グオン」




俊敏性犬が甘えたそうだったが




「さてと、車はあっちか」




と言ってそのまま車へと向かった。




「くううん……」




俊敏性犬は寂しそうだった。


望は




(あの人今の状況分かってないのかな?)




と思い再びコンビニに戻り




「一応言っておきますね? 早く逃げるか噛まれるかどっちかにした方が良いですよ?」


「スカー」


「言いましたからね?」




そう言って望は再び車の方へと戻った。


そして




「?? ねえ? 希咲君? さっきのコンビニ普通に営業してたの?」


「うん」


「ちゃんと言ってあげた?」


「逃げるか噛まれるかどっちかにした方が良いよとは言った……」


「……もうちょっとチャンと言った方が?」




と和子は気を遣うことを言ったが、




「止めておいてくれ、この車にこれ以上は乗らん」




と言って諦めるようにアレックスは言った。


レベッカも




「ごめんだけど全員は助けることは出来ないわね、あのバスがあれば少なくとももう少し助けれたんだけど……」




と言って残念そうに言った。


剣子も




「我々のせいではない、運がなかったと思って諦めてもらうか自分で逃げてもらうしかない」




と言って和子は




「分かった……そうだね……私たちが助けられただけでも良かったと思うべきなんだよね……」




と分かっていても気持ちに罪悪感が合った。


アンジェリスは




「和子……私はもしあの時ゾンビがいるって言っても信じないと思うの? だから無理やり連れて行くことも出来ないからこれは仕方ないと思うでいいのよ」




と言って励ました。


和子も




「ありがとう、アンジェリスちゃん」




と言って顔色が少しマシになった。


そして




「行くぞ! 発進だ!」




と言ってエンジンを掛けて車を出す。




ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!




そして、望は後ろを見るとゾンビがコンビニに入って行くのが見えた。


そして




『スカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』




と声がしてその後先ほどの店員がゾンビになって出て来た。


望は




「お前の最後のセリフそれでいいのかああアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




と言ってしまった。




「うわ!! ビックリした!!」




そう言って和子は望の方を見た。


望は




「わりい」




と言って謝った。


そして




(チ!! もう少し遅ければ俺も噛まれたのか!! クソッタレ!! いや、結局俊敏性犬が噛んで終わりか……諦めよ、取り敢えず一番くじを……)




と言って袋から取り出した。


それを見た和子は




「え? 一番くじ買ったの?」


「? うん、買ったけど?」




と言ってレイミちゃんを見ていた。


それを見たアンジェリスは




「!! それ!! SSRのレイミちゃん!! 何買って当ててんのよ!! 私の分は!!」


「ない」


「気が利かないわね!!」




と怒られた。


望は




「弁当買ったけど?」


「ありがとう!!」




と言って怒りながら望の弁当を取り




「いただきます!」




と言って食べ始めた。


望は




(結局怒られた)




と思って残念そうにした。


和子は




「酔い止めは?」




と聞くと




「あ!!」




買い忘れに気づいた。

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