32Dead『制限時間』

レリアは5人に




「取り敢えずその子大丈夫なの? 一緒にいて?」




と聞いた。


すると




「まあそうだね、余計なことをして甚大な被害が出たのは今のところ敵側かな?」


「いや和子、貴方が一番の被害者でしょ? 何度あの屑のせいで死にかけたか忘れた? それに全て奇跡的に役に立ったことがあるだけよ……」




と和子と剣子が話した。


レリアは




「まあでも一応仲間なんだし仲良くね?」




と少し震えながら言った。


その直後レリアは思い出したように




「そっそうだ! 僕慌てて逃げられたから助けを求めに来たんだ!! 実は何故かこの船に1匹だけゾンビ犬が入っていて……」




と慌てて話し始めたがそれを聞いたレベッカが




「大丈夫よ、そのゾンビ犬は味方なの」




と言った。


それを聞いてレリアは




「!! みっ味方! ゾンビ犬が!」




と信じられないような表情で聞いた。


アレックスは




「まあ気持ちは分かるが聞いてくれ」




と言ってレリアを落ち着ける。


そして、ゾンビ犬がどうして仲間になったのかを詳しく話した。


そして、犬の名前が俊敏性犬であることも伝えた。


それを聞いてレリアは




「ネーミングセンスが無いというか適当に付けているようだというか……」




と困惑した。


そして、レベッカは




「だからあの子と合流したほうがいいと思うわ……何か余計なことをする前にね」




と言った。


それを聞いてレリアは




「余計なことって……そんなに酷いの?」




と聞いた。


すると和子は




「ゾンビに囲まれていて死にそうなときに鬘のゾンビを庇ったり突然ゾンビに話しかけたり机をゲームの謎解き感覚で窓から落としたり女子トイレに状況を利用して入ろうとしたり男子トイレでアンジェリスちゃんにレイプ紛いな発言をしたりゾンビ犬に突っ込んで行ったりする人間を放っておけますか?」




と言った。




「そんなに酷かったの!」




アンジェリスは驚いた。


そしてそれを聞いたレリアは




「えええ……」




ドン引きした。


すると




「グエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」




と鳴き声が聞こえた。




「この鳴き声……俊敏性犬の鳴き声だ!」




とアンジェリスはハッとした。


レリアは




「そっそうなの! だったらそこに希咲君もいるんだね! 取り敢えず合流しよう!」




と言って皆走った。




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「ふーむ、あのバカ死んだか」




とベルゲザズはモニターを見て笑っていた。


そして




「それにあのゾンビ犬……実に興味深い……まさかあんなに苦労して作ったゾンビの種子のゾンビたちに脳電波で操作するとは……」




と驚いていた。


それを聞いていたのか




「おい! 大丈夫なんだろうな! 本当に!」




と1人の男が怒鳴って来た。


ベルゲザズはその男に向かって




「うるさいぞ……我々の力と知識が必要で殺すことが出来ない男よ」




と言った。


それを聞いて男は




「ク!!」




と悔しそうにしていた。


すると




「まあまあ、いいじゃないですかベルゲザズ兄さん」


「そうだぜ! ベルゲザズ! お船のパーティーナイトはこれからだぜ!」


「そうそう、それにあのゾンビ共もこちらから指示を送り直せる、そうすればあの小僧が願ってる通りにしてやればいいのさ! あ! だがあの俊敏性犬だっけか? あいつだけはそのままにした方がいい! 研究材料として使える! クヒヒヒ」




と数人の男女が笑っていた。


ベルゲザズは




「そうだな、あの犬には少し興味があるのは確か……さてあの男の悪運……いやゾンビになれないから不幸か? それがどこまで続くのか興味深い」




と言って笑っている。


すると男は




「それにあいつらを殺すならばクリーチャー型を数匹送ればいいことだ」




と言った。


それを聞いてベルゲザズは




「そうだな、2体いれば少しは役に立つだろう」




と言った。


それを聞いて




「良いのか! そんな少ない数で! もっと送った方が!」




と言った。


すると




「あいつらは図体がでかい、ステルス用のジェット機に2体が限界だ……例え大きい乗り物を用意しても黙止してバレたら終わりだと思わんのか?」




と呆れながらベルゲザズは言った。


男は




「ク!! 絶対に殺せるのか?」




と聞くが、




「さあ?」




としか答えなかった。


そして




「今から10分だ、あいつらの命は10分になるそれだけの事……」




と自信満々に言った。


こうして助かるために乗った船にも命の危機が襲い掛かることとなった。


制限時間は10分後であった。




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そしてこの男にも制限時間が課せられた。




「糞が……何で俺はゾンビになれんのだ……畜生が……」




と望はイライラしながら歩いていた。


俊敏性犬とゾンビたちは黙ってついて来ていた。


望は




「チ、何なんだよ」




とイライラしながら歩いていた。


酔い止めが切れるまであと30分




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「瑛代ちゃん……あの男どこか行ったみたい」


「そう、じゃあ私たちも動こう」


「うん」




そして5人の少女もついに動き出した。


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