7Dead『覚醒』
「……」
「そんな……」
「チッ、ふざけんじゃねえ」
3人は半信半疑だった。
映画みたいなストーリー
娘の病気の治療のために開発した薬が悪用されてこのゾンビ感染が発生した。
そして、日本が実験場にされてこの状況が始まってしまった事
そしてアレックスとレベッカはその親の子供を助けに来たということ
そして、不良生徒は
「お前らの糞研究のせいで何でこんな目に合わないといけないんだ!! 全部お前のせいだぞ!」
「本当に申し訳ない」
と辛そうにレベッカは俯いた。
彼女もまさかこんなことをジョリザズが引き起こすだなんて当時は思ってもみなかったのだろう。
しかし、メアリーの死がきっかけで人格が変貌そして、今では日本を地獄に変えたのだ。
その罪悪感はその助手をしたレベッカ自身にも重くのしかかっている。
しかしアレックスは
「でも彼女は止めようとしたんだ、確かに彼女も薬を作った一人だがそれを生物兵器にする手伝いまではしていない」
と言った。
和子も剣子も
「そっそうですよ!! そもそも国の人たちがジョリザズさんのお願いを聞かなかったのが一番の原因ですよ!! 確かにジョリザズさんは今は悪くなってもう取り返しがつかない悪人になってしまっていますが……」
「まあその博士はもう倒さないといけない人間にはなってはいるがレベッカさんに関してはむしろ尊敬に値する、罪悪感から逃げないで戦う覚悟を決めたんだからな」
と言って不良生徒に反論したが
「でもそれってこいつらがそんなもの開発するからだろ、そんなくだらないことをしたせいで俺らは死にかけてるんだぞ!! そんなガキがどうなろうと俺らには関係ねえよな!! そうだろうがよ!!」
と好き勝手なことを言った。
それを聞いて和子は
「あなたには大切な者の命を守りたい人の気持ちが分からないの……」
と真剣な表情で言うと不良生徒は
「知るかよ!! そんなの!!」
と反発した。
和子は
「そう、悲しいね、君は……」
と諦めたような目で見た。
アレックスは
「とにかく今日はもう遅い、ここで見張り抗体をして休むことにするぞ」
と提案した。
不良生徒は
「ああ! ふざけんじゃあねえぞ!! こんなゾンビまみれの建物で過ごせってか!! てめえらのせいでこんな目にあってんだろうが!! 何とかしろ!!」
とキレた。
しかしアレックスは
「ああ、出来たらそうしたかったさ、だがお前がこいつに暴行を振るうから今こいつは寝てるんだ、こいつを背負ってお前らを守りながらゾンビをかいくぐるなんて無理だ、どっちか一つが俺らには限界だ」
と言った。
不良生徒はそれを聞いて
「こんな奴ここに放置すればいいだろうが!! もしくは餌にしている間に逃げれば……」
という言葉にアレックスは胸ぐらを掴もうとしたが
ヒュン!!
と風を切る音がした。
見ると剣子が竹刀を不良生徒の目の前に突き出して
「私の前でその腐った口を閉じろ、でないと私がお前を餌にして逃げる準備を整えるぞ」
と睨みつけながら言った。
不良生徒は
「糞がああ……」
と言って座り込んだ。
そして、腕に自信のあるレベッカ、アレックス、剣子が見張りをすることになった。
アレックスは
「そうだ、こいつには後で渡すがお前らこれを持っておけ」
と言って拳銃を渡した。
「これ! 使ったことない……」
と和子は声を震わせながら言った。
だが不良生徒は
「フン、こんなの楽勝だろ」
と余裕そうにしていた。
アレックスは
「確かに渡したが拳銃はお前が思っているほど扱いやすい代物じゃないぞ、取り敢えず簡単な説明だけをすればレバーアクションを引いて相手に向けるそして引き金を引いて発射だ、簡単ではないがいざって時はそれを使うんだ」
と言ってそして交互に見張りを立てて休息を取ることになった。
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そして見張りが3人目の剣子になって数分後
「はああ!!」
望はようやく目を覚ました。
「え、え、何? この状況……てか……うわあ!! 動けないと思ったら縛られてる!! 何! 何!! 同時多発テロ!!」
とパニックを起こしていた。
しかし、それでも起きない皆を見て望は
「?? テロでは……!!」
とテロでないと思った瞬間頭に電撃が走った。
「思い出した……テロではあったんだ……ゾンビ感染テロ……いったい何でそんなことが起こったのか、もしかしてこれは映画の撮影ドッキリではないかと思ったが……ゾンビになったのは目の前で見ていた、だから実感がある」
と少し頭を整理していた。
そして
「そうだ!! 俺はゾンビになろうと奮闘していたところを気絶してここへと運ばれたんだ……それで不良に絡まれてボコボコにされた上踏まれてゾンビになると部屋から出ようとしただけで押さえ込まれてそのまま何か打たれて眠った……」
と思い望は自分の状況を冷静に思い出すことが出来た。
そして次に望がすることは
「よし、ゾンビになるためにどうすれば……縄を斬ろう」
と落ち着きながら行動で来た。
そして、周りを望は確認するとそこは理科室であった。
そして近くの机にカッターがあった。
それを見て望は
「うむ、あそこまで移動しよう」
と思い取り敢えず
バタン
と横になった。
縄は自分の腕と足を縛って体育座りの状態になっていた。
「取り敢えず寝っころがって芋虫形式で動くしかない」
と思い体を曲げて足で前へと押し出すように動いた。
だが
「うお、慣れてないせいか結構ムズイ」
と思ったより進まなかった。
「うーむ、これはムズイ、ムズイよ」
と思いながら少しずつ体を動かした、
だが途中で
「おお、慣れてきたぞ!! 動くようになってきた! まるでABボタンを押して動いるかのようだ! ABAB!! ABで思い出したが海老ってうめえよなあ!!」
とくだらないことを言いながらスムーズに体を曲げて足を蹴り上げて前へと勧めるようになった。
そしてそのままカッターのある机の近くまでやって来れた。
「ふー、しんどかったけどこれを落せば俺は自由!! ……どうやって落そうか……」
とさっそく難関へと直面した。
(うーむ、どんどんとタックルして落としてもいいがそれだと音のせいでこいつら目覚めるんじゃ、目覚めないか? いや!! ちょっと待て! こいつら一人足りなくね! うん?! 誰が足りない!! 分からんけど1人いない気がする!)
と望は疑問に思った。
そして
(そうか! これは! 見張りか! ゾンビがいるんだ、誰かが見張ってないと全滅ってわけか、だから今ここにいないのか……でも音を鳴らして起きなかったとしても見張りが来る可能性もあるのか……)
と少し悩んで
「まあ、そうだな、一か八かでタックルで落としてバレたらまあその時はその時だ、見張りだと猶予があるだろうからすぐさま元の場所に戻って目を瞑れば倒れた音だと思って元の配置につくだろうし」
と思いそのまま
「せーの!!」
ズドン!!
と机にタックルした。
しかしカッターはすぐには落ちなかった。
そして
「今の何の音だ!!」
と遠くの方から声がした。
「ヤベエ!」
カッターも落せていないのに見張りに気づかれてしまった。
だがもう一度音を鳴らせばきっと警戒は大きくなると思い
(元の位置に戻るしか!)
と考えて望はすぐさま自分が寝ていた場所へと移動した。
ガガガガガ
「……」
剣子が見るとそこには縛られたまま倒れている望と他に眠っている3人がいた。
「……こいつが倒れた音? まあそれぐらいはなるか……」
と思っていると遠くの方から
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
と声がした。
「!! 起こすべきか!! いや! 一匹ならば私が!!」
と思い剣子は皆の休息を最優先して
「ふん!」
グシャリ!!
と鈍い音と共にゾンビは動かなくなった。
「フー」
と一安心して周りを警戒した。
「少し離れた場所も見るか」
と言って廊下の端を少し観に行くように恐る恐る歩いて行った。
望は
「ふー! やばかった」
と思いカッターの方を見たがそこにはカッターがなかった。
「!! 消えた! どこだ! カッター!」
とビビりながらカッターを探すと
バリバリバリ
と後ろで音がした。
見ると不良生徒が自分を縛っているロープを切っていた。
「!! あの不良生徒」
「フン、糞が」
と言って睨みつけてくる不良生徒に望は少したじろいて
(なんだこいつ、俺を蹴ったり殴ったり踏んだしたのにどうして助けるんだ……)
と疑問が頭に浮かんだ。
すると不良生徒は
「お前には餌になってもらう」
と言って拳銃の銃口を向けて来た。
「……おっと……」
流石に望もビビった。
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