14Dead『仕掛け』

アレックスとレベッカが死闘をクリーチャー型ゾンビとベルゲザズと繰り広げている間に望と和子と剣子はゾンビがいない中安全にアンジェリスを探していた。




「あそこでゾンビが落ち続けているってことはもう安全なんだろうけど、油断は禁物だ、気を付けて行動しよう」




と剣子は注意をした。


和子も頷いて周りを見渡しながら進んで行った。


望は




(ゾンビ1人もいねええ)




と残念そうにしていた。


望は




(糞! どうしてなんだ! どうして俺はこんなにも頑張ってるのにゾンビ化できないんだ!! おかしいだろうがい!)




と心からイライラしていた。


和子は




「この教室の中を見てみようよ!」


「そうだな」


「ああ」




とその言葉に2人は頷いてして入って行った。


教室は血で濡れていて自分の首を刺して死んでいる人もいた。




「うわああ!!」




流石にそんな和子は悲鳴を上げた。


だがすぐに




「静かに! ゾンビは来ないかもだけど……」




と言って口を手で覆われた。


そして




「ごっごめん」




と言って申し訳なさそうにした。


望は




「取り敢えず探そうぜ? でもまあさっきの声でも出てこないってことはいないかもな」




と言って教卓の下を見た。


剣子も




「悲鳴だったからゾンビに噛まれたと思って隠れているかのせいも否めない、きっちり探そう」




と言ってロッカーを開けようとしたが




「あれ? 開かない」


「?? そうなの?」




と言って和子も一緒に開けようとした。


しかし




ギギギギ




と錆びて開かないのか、ドアに血が付着しておりその影響で貼りついて開かないのかは分からなかった。


それを見て望は




「鍵でもかかってるとか?」




と聞くと和子は




「それはない、だって閉まってたら出れないじゃない、内側から開けるものでもないだろうし」




と言った。


だが望は




「分からないぜ? 机を窓から落としたら開く式になってるかもしれないよ?」




と言ってきた。


それを聞いて和子は




「いやいやいや!! 逆にどういうことそれは!! 何で机を落したらなんでロッカーが開くようになるの!! 普通に考えてもそんなことあり得ないでしょう!」




と言った。


しかし望は




「まあまあ、ゲームでは良く在り来たりじゃないか」


「ゲーム情報!!」




と言って思いっきりゲーム脳知識だった。


和子は




「そんなゲームあったの!」


「いや、岩とかってなぜか落としたらドアの鍵が開く時ってない?」




と訳の分からないことを言った。


そして




「じゃあ落とします!」


「チョ!! 他の人が来て当たったら危ないよ!!」




と言って止めようとしたがもうすでに机を持って窓を開けていた。


剣子は




「全く、何を考えているんだ!! そんなことをしても意味ないだろうが!! 止めなさい!」




と望を掴んで止めた。


剣子は止めたが望は




「大丈夫だって、見たところ今のところ誰もいないから」




と言った。


和子は




「誰もいなくても普通は落とさないんだよ!」




と常識的なことを言った。




「今が普通の状況でもないだろ」




と滅茶苦茶な理論で断行しようとしている。




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クリーチャーが2人を襲う。




「グギャアアアアアアアアアアアアアア!!」




と吼えた。


アレックスは




「手榴弾を使うぞ!!」




と言って取り出し、投げつけた。


2人は伏せて




ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!




と爆発した。


だが、




「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




と再び吠えながら爆風を掻き消す様に顔を出す。




「糞!! 効いてねえ!!」




とアレックスは顔を顰めた。


そして




「あいつの口の中に手榴弾を突っ込んでやる!!」




と言って近づこうとしたが、




「グアアアアアア!!」




と吼えながら爪が突如に伸びた。




「避けて!! アレックス!!」




と言った。


アレックスもその異変に気づいて爪を躱してバックステップで避けた。




「危ねえ」




と言って少し冷や汗を掻いている。


レベッカは




「私があの子たちの高校で戦ったクリーチャーとは違うのね」




と言って観察していた。


それを聞いてアレックスは




「あいつらの高校でもいたのか」


「ええ、あいつの場合は舌が伸びたんだけど、まさか爪全部が伸びて攻撃してくるとは……」




と言って2人は警戒している。




「ほほう、あれを倒したのか? フン、まああれは取り敢えずお前らを追跡させたただの様子見だからな、こいつは別格だぞ!」




と言ってベルゲザズはボタンを内ポケットに入れた。




「さてと、本番はこれからだ」




と言った瞬間クリーチャーが




「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




と2人へと飛び込むようにしてやって来た。




「来たわ!! とにかく逃げるわよ!」




と言って2人はクリーチャーから距離を取るため走った。




「糞!! どうやって倒せばいい!! 近づけばあの爪が待ってる!」


「2階に行きましょう!! あの子たちたぶんまだ3階だから階段を登らずに戦うのは難しいわ!」




と言ってよく見ると階段のある場所でしかもその先は壁だった。




「糞!! 行くぞ!」




と言って2人は階段を上り




「グガアアアアアアアアアアアアアアアアア!」




と吼えながらクリーチャーも上った。




「無駄だ、お前らは死ぬだけなのだから」




と笑っていた。


階段を進んで廊下の方へと入り




「まだここなら広い」




と言ってクリーチャーを迎え撃とうとした。


すると




「助けて!! お兄さん!! お姉さん!!」




と言って1人のオッサンがレベッカに抱き着いた。




「うわああああ!! 誰この人!!」


「怖かったよおおおおお!!」




そんなことを言いながらレベッカにスリスリと顔を体に擦りつけていた。




「止めてええええ!!」




と言って化け物と対面するより顔が青ざめた。


そして




「離して!!」




と言ってオッサンを振り払うと




「酷いよ! お姉さん!! うわああああああああああああああああん!!」




とオッサンは子供のように泣きじゃくった。




「ええ……この人何なの……」




とレベッカが引いているとアレックスは




「こいつ、名札を掛けてるぞ……校長のじょうがい しゅんと言うらしいぞ」


「こっ校長!!」


「違うモン!! 僕はここの生徒だもん!!」




と言って言い張っている。


それを聞いてアレックスは




「まさかこいつ、あまりの恐怖とショックで幼児退化したのか……」




と残念そうに言った。


すると




「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」




と吼える声がした。




「うおおお!! オッサンに気を取られている場合じゃなかった!!」


「うわあああああああああ!! せっかく距離を取ったのに!!」




とオッサンのせいで距離を取った意味が無くなってしまった。


そして、




「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




と走って来た。


逃げようとしたが




「待ってお姉さん!! 腰が抜けたよ!! 怖いよおお!!」




と言って旬が抱き着いて動きにくかった。




「やっ止めてえええええええ!! 離してえええええ!!」




と半泣きになりながら震えているレベッカ。


すると




「ここに入るぞ!!」




と言ってアレックスはレベッカを引っ張って教室に入った。


その為旬も入って行った。




「うえええええん!! 怖いよおおおおお!!」




と泣いている。




「アンタが一番怖いよおおおお!!」




とレベッカも泣いていた。


アレックスは




「糞が! どうすればいいんだ!!」




と言って




ドオオオオオオオオオオオオオオン!!




と教室の壁を破壊して入ってきた。




「きっきたああああ!!」


「うわああああああああああああああああああん!!」




ジョボオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!




旬は漏らした。




「きゃああああああああああああああああ!! 寄らないでええええええええええええエエエエエエエエエエエエエエ!!」




ドン!




とレベッカに押された。




「うわん!!」




旬はその場にこけた。


するとクリーチャーは




「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」




と吼えてレベッカに襲った。


レベッカは瞬間的に横に避けた。


その代わりに




「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! 痛いよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! パパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! ママアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 死にたくないよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」




と旬が代わりに噛みつかれてそのままクリーチャーはガラスを割って外へと飛び出た。


クリーチャーは落ちそうになったが窓の鉄格子に掴まりとどまった。


そして、咥えていた旬を口から落として




「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」




グサアア!!




「ゴブウウウ!!」




と校庭にあった旬が指を上に差している像の指の部分に喉から突き刺さった。


そこには




『上を向け!! 若者よ!! どんなに辛くて苦しい時があっても!』




と書かれていた。




「ばば……ばば……ばぐbがああだえ」




と妙な言葉を言ってそのまま動かなくなった。


そして、クリーチャーは窓から顔を出した。




「グルルルルルル!」




と唸りながら2人を睨みつける。


アレックスはレベッカに




「いいか襲った瞬間にあいつに手榴弾を投げるぞ、あいつは口を開けて俺らを食べる気だ、その時に入れることが出来れば奴を倒せる」


「分かったわ」


「いいか、十分ひきつけるんだぞ」




と言って2人はクリーチャーを睨みつける。


そして




「グガアアアン!!」




と妙な声を上げてそのまま落ちて行った。




「へ?」


「どっどういう?」




訳が分からないまま外を見ると




グサア!!




「ガアアアアアアアアアア!!」




と呻きながら頭に旬の上から旬の指の立てた像に刺さった。


そしてそのまま動かなくなっていた。


近くを見ると机が落ちていた。




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「イケルッて! 大丈夫だって!! 開くに決まってるだろ!」


「どこから出るのその自信は! ゲームの知識が役に立つわけないじゃん!」




と反対していたが、




「取り敢えず……」


「やるな!!」




と和子はついに大きい声で怒鳴った。


それを聞いて望は




「チッ、分かったよ」




と言って外に出していた机を戻そうとすると




「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! いたいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! パパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! ママアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 死にたくないよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」




と言う声に




「うおお!!」




とビックリしてバランスを崩した。




「やばいやばいやばい!!」




と言って望は机と一緒に落ちそうになっていた。




「もう! 何やってるの!!」


「そんなことしてるからだ」


「ごごめん!!」




と言って和子と剣子も望を引き上げようとした。


だが




「机重いからもう落として、この際命が大事だよ」


「わっわかったよ」




と言って机を離した。




ドン!!




「グガアアアン!!」




と声がしたが2人は望を引き上げるのに、望は上がるのに夢中で気が付かなかった。


そして、そのまま引き上がり




「ふうううう!!」




と望は安堵した。




(危ない危ない、ここで死んだってすぐに死ねるわけじゃないし、何より俺はゾンビになるんだからこんなところで死ぬわけにはいかない)




と考えていた。


和子は




「全く……」




と言って机が落ちた方を見るとそこには銅像に刺さったクリーチャーがいた。


近くには机がある。




「!!」




ビックリして和子はつい頭を戻した。




「え? え?」




と言って信じられない物でも見た顔をしていた。


望は




「どうした?」




と聞くと




「クリーチャーいた」




と呆然としながら言った。


望は




「まあ、俺らの学校にもいたしな、いるんじゃない?」




と言うと




「マジで! でも今のは死んでたし、机が近くにあったし、もしかして机が当たって落ちて像に突き刺さったのかな……」




と洞察していた。


それを聞いて望は




「な! 落として正解だろ!」




と言った。


和子は




「君はそんなこと予測してないでしょ? でもまあ、ありがとう」




とお礼を言った。


望は心の中で




(糞が! クリーチャーいたのかよ! レベッカに殺されたのが最後だと思ったが、これはもっと多くいるんじゃないの!)




と悔しそうにした後、そんなことを期待していた。


そして




「とっとにかくアンジェリスちゃんを探さないと」


「そうだな、本来の目的を忘れるな、ロッカーは開かないってことは誰もいないんだろう」




と言って2人は廊下に出ることを決意した。


望も一緒について行った。




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「糞!! どうしてクリーチャーが死んだ!! この役立たずが!! もういい! 俺がお前らを殺す!」




と言って銃を構えた。




「それで私たちが死ぬとでも?」


「逆に聞く、ハンデがあるからって俺が負けると思っているのか?」




と言って睨みつける。


アレックスは




「あいつ、俺より強いかもな」


「!!」




と言った。


その言葉にレベッカもビビった。




「さてと、血祭りだ、苦しんで俺に喜びと名誉をくれ」




と言って




パアアアアアアアアアアアアアアン!




と発砲した。


アレックスは避けて黒板側に行った。




「フン、ドアから逃げる気か? この腰抜け!」




と言って挑発する。


アレックスは無視してレベッカと一緒に教室から出ようとした。


それを狙ってベルゲザズは銃を向けた。


それと同時に黒板のチョーク入れを取り出して粉を蹣跚させて2人を見えなくして




ガラガラガラ


ドン!!




とそのまま教室を出た。




「チッ、おのれら」




と悪態をついた。


そして、ベルゲザズも追いかけるようにドアを開く。




パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!




「どうだこれで!!」




と至近距離でアレックスは銃を発砲した。

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